この闇と光【あらすじネタバレ感想】幻想と現実。崩れる。恐ろしい真実

あらすじ

森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた……はずだった。

ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実でーー。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?

随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?

至上の美を誇るゴシックミステリ! 

解説・皆川博子

(KADOKAWAより)

感想レビュー

どうしてこの作品を知ったのか、誰の紹介だったのかは覚えていないのですが、出会えてよかったです。

読了後の所感としましては、最後の締め方は置いておいて、とりあえずなんかすごい小説だったなと思いました。

もう何を言ってもネタバレになるタイプの作品なので、まだ読んでいない方は、ぜひここで一旦先入観無しで読むことをおすすめします。

さて、なにから話しましょうか。

過去に直木賞の候補に入ったこともある本作。まず発想力というか、仕掛けですよね。この小説のすごいところは。

読みながら流石に何かおかしい、そのような不気味な気持ち悪さがずっと続くのですが、そのお陰もあって、中盤以降に明かされていく展開がすごく面白い。

もうそこからは一気読みというか、早く答えが知りたくて、捲る頁が止まりませんでした。

あとは犯行時などのリアリティの弱さがあるものの、個人的には十分に満足はしているのですが、最初に書きました終盤の締め方が明らかに濁したような感じで終わるので、モヤっとするような感じも多少はあります。

ただこの作品の、タイトルやテーマ、雰囲気を鑑みた時に、こういう終わり方がベストだったのかなと、そういう風に私は解釈しようと思います。

それよりも、この絶対に許してはいけない現象が起きているはずなのに、許してしまいそうになる描き方というか、ずるい小説なんですよね。笑

この闇の中にいる時こそ純粋で美しく、光の中で醜いものが見えてしまうという構造も、すごく良くて、すごく悪いですよね。笑

ただこの作品は、展開や仕掛けばかりではなく、文学、音楽、絵画、詩など、銅版画家としての一面を持つ著者の芸術的知識が存分に発揮されていて、そこも魅力的なポイントでした。

解説は皆川博子さんで、著者の生涯や他の作品も紹介されていて、気になったの作品があったので、いつか読んでみようと思います。

それでは今日はここまで。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

紹介した本