
あらすじ
たとえ、その選択を悔いるとしても
バレンタインデーのイベント、水族館での雪の日を経て、自分たちが踏み出すべき一歩を定める八幡たち。
(ガガガ文庫より)
そんな奉仕部に、ある大きな依頼が持ち込まれる。
その依頼に対して、今までとは違ったやり方で取り組むのは、三人にとっては自然な流れのはずだった。
それが、自分たちの求めていることなら――。
たとえ、その選択を悔いるとしても。
時間の流れがいつか自分たちを大人にするのかもしれない、出会いと別れを繰り返して人は成長するのかもしれない。でも、いつだって目の前には「今」しかなくて――。
雪乃、結衣、八幡。それぞれの想いを胸に抱えながら、各々が選択する「答え」とは。
新たなる青春群像小説、物語は最終章へ。シリーズ12巻。
感想・レビュー
三人の関係。それは〈共依存〉だと。
共依存(きょういぞん)
特定の人間関係に依存する状態。自己の存在意義を認めてもらおうとして過剰な献身をくり返すなどの行為がみられる。
(goo国語辞書より)
多分普通の学生だったら別にそれでいいんでしょうけど、本物を求める八幡に陽乃が突きつける現実が重いなと。
でもそこがこのシリーズの魅力なんだろうけど。
プロム、最終章のはじまり。共依存を問われた三人。
だから八幡たちも個々で動き出す。面倒くさいちゃ面倒くさいけど、若い頃はこんな感じでだいたい面倒くさいことで頭悩ませるものだ。
社会に出たら嫌でも金が最優先事項になるからそんなことも無くなるかと思うけど、案外大人たちもまた似たような形で面倒くさいことでぶつかりあっている。
だから個人的には学生たちの悩みのほうが美しいと思う。
悩みに美しいもクソもないけれど。