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あらすじ
龍園と坂柳。このどちらかが明日――敗北し学校を去る。
長かった2年生も最終盤、最後の特別試験『学年末特別試験』が遂に実施される。各クラス先鋒、中堅、大将、3人の代表者を事前に選出し、対戦クラスn代表者と勝ち抜き戦を行う。
ただし試験内容は当日まで不明というもの。
「俺の本気って奴を坂柳と、そしておまえに見せてやるよ。俺には似合わないが正々堂々とねじ伏せてやる」
「学年末特別試験が片付いたら、ゆっくりとお茶でもいたしましょう。彼を倒した後は綾小路くんとの勝負が、3年生で待っていますから」
龍園と坂柳、生き残るのは1人だけ―ー。大人気学園黙示録、2年生編クライマックス!
「お互いに特別試験で退学せずに済んだら、その時は時間を作ってくれ」
(MF文庫Jより)
感想・レビュー
はぁ、ついに決まってしまいました。もう皆様も読まれましたか……それにしても決まってしまいました。
しかし物語はここからまた大きく動いていくことでしょう!
よう実ファンの皆さま、こんにちは。こんばんは。いよいよこの時がやって参りました。
皆さまも首を長くして待っていたのではないでしょうか。
前回、先生が首のヘルニアだったことを公表され、今までの4ヶ月ペースの刊行ではなくなるとのことでしたが、以外にも早かったですよね。
正直、もう今年は読めないことも覚悟してましたが、約5ヶ月ぶりの刊行です。
待ちわびてはいたものの、いざ予約した本が届き、ぱらぱらと章タイトルを見ただけで「ああ、本当に始まるんだなぁ」と少し緊張してしまいました。笑
そして表紙はなんと茶柱&星之宮先生という、シリーズで初めて先生たちが登場しました。
それでは、いつものように軽く物語を振り返っていきたいと思います。
星之宮知恵の独白
まずは星之宮先生からの独白。
以前に明かされた茶柱先生との高育時代の過去を許していない、とのことが再確認出来るような内容でした。
それに、最後は「どんな手を使ってでも堀北クラスをAクラスにはさせない」というような、かなり物騒な雰囲気が漂い、本編へ。
異色の学年末特別試験
まず茶柱先生から学年末特別試験の内容が発表される。
そして軽井沢と綾小路の帰り道シーン。
デートを断り続ける綾小路に対し、寂しい会話が続いたものの、綾小路は学年末特別試験に向けて、各リーダー4人と他にも会っておきたい人物がいるとのことで話が落ち着く。
終わらせておくべきこと
さぁまずは堀北との会話から。綾小路が大将になる、その取り引きについて。高円寺と似たような提案を出し、ついでに「このクラスにいる限り」というワードまで出してきたので、やはり移籍の可能性も本格的にあるかもしれません。
その後、長谷部はるかとの久しぶりの会話も。完全に和解の提案のような感じだったが、綾小路は天沢を使って阻止し「時間の無駄」と一蹴。笑
どんどん綾小路の本当の姿が出てきます。
しかしそんな天沢には、優しさを見せる一面も。ただこれには、ホワイトルーム出身という天沢の優秀さを今後何かあった時に使える可能性を残しておく為でしょう。
お次は龍園ですね。この場面は割と坂柳との対決に関しての確認事項くらいで、簡単なやり取りでした。ただ龍園は柄にもなく、正々堂々と全力で、坂柳と戦うとのこと。
正直どこまで本当か嘘かは分かりませんが。笑
あとは龍園が一之瀬を警戒している発言が再びありましたね。
まぁファン的にはこの二人が会話してくれるだけで楽しいものです。笑
龍園のこのシーンは口絵もありました。
そしてAクラス・山村との絡みも少し。何やら情報を貰った綾小路だか、その内容はまだこの時は明かされず、次の展開で。
山村から頂いた情報をもとに綾小路が接触したのは、同クラスの松下。
松下は以前から綾小路の実力を疑っていたり、前理事長の件とかがあった生徒の一人ですが、正直細かいところは私も色々忘れちゃってるなぁ。笑
綾小路は松下に実力を見せる事を約束しましたが、まだ行動の真意は見えません。
続いては現在大注目の一人であるAクラス・橋本にも接触。今まで綾小路と共に龍園クラスに行くというような示唆か行動はありましたが、その直接的な確認をします。
しかし綾小路の内面は、橋本の今後を危惧するようなものでした。
次に一之瀬との接触。私は完全に忘れていたのですが、過去に「特別試験でお互いが退学せずにすんだら会ってくれ」というような会話があって、それを確認するというもの。
綾小路は一之瀬について、これまで所々で内面で言ってたりしましたが、ますます、今後どうなるんでしょうか。
一之瀬のこのシーンは口絵もありました。
その後、神崎が綾小路を待ち伏せ。何故か綾小路の大将戦略が漏れている模様。
神崎はこれまで一之瀬関係で綾小路に世話になった過去があるが、ここはひとまず終わり。
最後に坂柳。綾小路は電話で接触。特別試験の心構え、山村について、坂柳の心境の変化、無人島試験の借りについての話などがありました。
最後に綾小路は、内面で「もうどっちが勝って欲しいかそれは自分の中で決まっている」とのこと。
メタ的な考え方としては、龍園の方が会話があっさりだった、他、坂柳はらしくない行動をとったり、借りのくだりなんかも相まってやっぱり坂柳なのか?と。
ただここまで綾小路が龍園クラスに行く流れだからこそ、何か違う展開があるような気もします。この章はここまで。
坂柳のこのシーンは口絵もありました。
学年末特別試験、開幕
いよいよ試験開幕の朝。3年・鬼龍院と綾小路との会話がありました。
もう3年生は見れないものと思っていましたが、卒業式はまだなのかな?
そして特別棟に代表者が集まります。小さな場面ではありますが、前章でフリを作っていたので綾小路が登場するだけでも、ワクワクする展開になる。これが本作の強みであり、先生の得意技ですよね。
そして各クラスの代表者
クラス | 先鋒 | 中堅 | 大将 |
---|---|---|---|
Aクラス(坂柳) | 真田康生 | 鬼頭隼 | 坂柳有栖 |
Bクラス(堀北) | 平田洋介 | 堀北鈴音 | 綾小路清隆 |
Cクラス(龍園) | 西野武子 | 葛城康平 | 龍園翔 |
Dクラス(一之瀬) | 浜口哲也 | 神崎隆二 | 一之瀬帆波 |
更に試験の内容は、『人狼ゲーム』を少々複雑化し、アレンジを加えたものという感じです。
私もこの段階では、まだ全然理解していなくて、ただ状況によっては「退学」や「500万プライベートポイント獲得」などという、この学校にとっての「死」を表すものと、破格の「恩恵」もあることが分かりました。
それにこの試験は「学力」を競い合うだけの単純な試験ではないことが判明したので、龍園クラスにもチャンスが巡ってきたといえるでしょう。というより、本人達も言ってましたが、ここで学力勝負なら龍園の敗北は確定しますし、エンタメ性のある学校ということでしょう。笑
あともう一つ、この試験は「嘘」も重要になってきそうなのですが、個人的にはまず「橋本」の存在が頭にチラつきましたねぇ、さぁどうなることやら。
その後堀北たちは、代表者で少し作戦会議を挟み、綾小路は龍園を視線で呼び出します。
何故かこのシーンは描かれていませんでした。(※最後の章で明かされます)
しかしそのタイミングで、星之宮先生が綾小路に接触。
独白でもあったように、どんな手を使ってでも勝ちたいらしく、綾小路に負けてくれと頼む。その見返りとして、これからの試験情報を流すや、色仕掛けなど必死の様子だが、綾小路はスルー。
一旦は引いた星之宮先生だか、まだ他にも動きがありそうだ。
先鋒の戦い
まずこの章では「堀北クラスvs一之瀬クラス」の戦いが始まりました。
これは読者の大半の方が思っていたと思うのですが、正直始まってみるまでは、ルールは明かされたが結局どんな試験になるんだ?という感じだったと思います。
そんなこんなで先鋒戦が始まり、読み進めるうちに、これは「嘘」と「真実」を見抜く試験なんだなぁと少しずつ分かってくるような展開でした。
そしてまず結果として、平田が負けてしまい、早くも堀北クラスは先鋒を失いました。
葛城の逆襲
続いては「坂柳クラスvs龍園クラス」の先鋒戦。真田と西野の対決になりますが、西野がパニックになって、あっさりと真田の勝利。
真田は確か以前表紙にもなりましたよね?
続いて葛城登場。章タイトルにもあるように、かつて在籍し、友を失った宿敵、坂柳クラスとの直接対決がついに始まります。
そんな真田対葛城は、心理戦を仕掛け、坂柳クラスの生徒の特徴を知っている葛城の圧勝でした。
続いて鬼頭が登場。元顔役と現幹部の対面です。鬼頭は後の龍園を倒す為に、坂柳に代表者として志願したとか。確かに2人は過去に色々と因縁のある仲ではあります。
しかし鬼頭にはこの試験には不向きだったのもあり、葛城の勝利。
ついに大将・坂柳が登場し、Aクラスは結果的に見れば不利ですが、どうなるのか。
悔し涙
ここで一旦堀北・一之瀬サイドへ。
平田を早々に失い、中堅・堀北が登場しましたが、無傷で先鋒の浜口を撃破した模様。
その後、中堅・神崎が登場。いい勝負になると思われたが、綾小路が出てくることと窮地に追い込まれたのをきっかけに、堀北に勝たせてくれと願いこむ展開に。
当然、堀北がそれに応じることはありませんでした。
神崎は一年生編から出番があり、一之瀬を側で支える熱い男だと知っているからこそ、こんな姿を見るのは、少々悲しいものですが、この高校は実力の世界。
堀北の圧勝に終わりました。
その後、一之瀬との対決が始まるも、一之瀬の圧倒的な強さにより堀北は追い込まれていきます。
更に一之瀬は「私は綾小路くんを倒せるよ」と宣言。今までの一之瀬とは違う、坂柳のような不気味で強気な雰囲気がありました。
私はこの時、綾小路が負けた方が、今回はクラスポイントを失わず、綾小路の服従が獲得出来る堀北に旨みがあるのでは?と内心思いましたが、笑
そのまま堀北敗北により、いよいよ大将・綾小路の登場。
ですがその前に、綾小路と堀北の会話がありました。負けたことに大きくショックを受けた堀北を、綾小路は抱きしめました。
普通に考えれば、おおラブコメか?笑)となる展開ですが、当然そんなことはなく「これからもこういう時は仲間を頼れ」とメッセージを送りました。
これはもう実質、堀北との別れの挨拶となるのかもしれません。それに綾小路は、一之瀬との勝負にも勝ちを確信していました。このシーンは挿絵も2枚あり、ちょっとくるものがありましたね。
続いて、坂柳・龍園サイドに戻ります。
坂柳は葛城に精神攻撃を仕掛け、成功しますが、展開はまだ動かぬまま。
坂柳らしい、意地悪さと合理的な戦略により、少しは粘りを見せかけたものの、坂柳の勝利に。
葛城は坂柳に復讐を果たすことは叶わずでしたが、この戦いが成立したことに意味はあったのかなと。
綾小路の策略
そしてきましたよ!
ここで皆さんお待ちかねの綾小路節が炸裂します!
一之瀬vs綾小路は、思わぬ展開へとなっていきます。まず綾小路は背信者システムを使うのを互いにやめようと一之瀬に持ちかけ、成立します。
しかし綾小路の真の目論見は、かなり前から、橋本の情報を渡し続けていたクラスの裏切り者である前園を確実に退学に追い込む為の策略でした。
結果、前園は処分され、驚愕した一之瀬には更に追い込みをかけていきます。
今までの一之瀬は、いかに綾小路によって利用されていたのかが、明かされ、戦意喪失。
「協力してくれてありがとう一之瀬。お陰でこっちは楽に不良品を処分できた」
(本文より)
いやぁ、流石にもう学年末試験ともあって、先生も厳しいものになっていくとおっしゃっていたように、綾小路本来の発言、躍動が止まりません。
結果は綾小路の圧勝で終わり、堀北クラスは勝利を収めました。
待ち望んでいる相手
いよいよクライマックスです。坂柳vs龍園の戦いは、いつもの口上バトルから駆け引きがあり、拮抗する状態が続きました。
途中、ひよりの活躍もあったりと、龍園のリーダーとしての成長も窺えました。
しかし最後の最後で、龍園の敗北が決定しましたように描かれていましたが、これは本当に終わったのか?アナウンスも書かれていないので、ちょっとこの章ではまだ確信が持てません。
それにまだ龍園は、最後まで背信者のカードをきっておらず、最後に坂柳に橋本を切る為の援護すら与える模様。
当然、坂柳は最後まで油断していませんが、橋本は綾小路から坂柳への伝言を授かっているとか。
坂柳は最後に橋本のチームを選択しましたが、結果はどうなる?最終章へ。
本当は――
さぁ最終章です。
まずここで龍園を呼び出した綾小路の伝言のくだりが明かされます。しかしここでも橋本に伝えてあるとのこと。
龍園はこの綾小路の伝言の影響もあって、最後まで「背信者」のカードが切れないことが判明しました。
そして橋本と坂柳の背信者を問い詰める為の会話が始まります。
しかし坂柳は橋本の伝言が気になって仕方ないので、必死に問いただしますが、当の橋本は全くその伝言とやらを受け取ったことは覚えておらず。
それもそのはずで、綾小路は坂柳のレベルにしか分からない伝言という仕掛けを施していました。
坂柳は橋本の過去を手繰り寄せていくうちに、その綾小路の伝言に気づきました。
龍園に「背信者」のカードを最後の最後まで使わせず、橋本を使ってまでこの場を設けさせた。この仕掛けを作った根底にいる人間こそ綾小路です。
つまり、この仕掛け自体には本当の意味はないんです。大事なのは綾小路が龍園の肩を持ったということ。
綾小路は坂柳にどちらの見方もしないと言った(ただし内面では、どっちに勝って欲しいかは決まっているとのこと)。
しかしさっきも言いましたが、綾小路は龍園にわざと不利を背負わせた。
つまり「これ以上邪魔をするな」という坂柳に対してのメッセージであり、『負けてくれ』という風に坂柳は伝言を受け取った。
坂柳は天才としての相手に、闘うことを認められなかった。選ばれたのは龍園だった。
『上手く成長しろ』かつて綾小路が龍園に投げかけた言葉。
この言葉をかけた当初よりも、綾小路と龍園どちらにとっても想像以上の結末になったのかもしれませんね。
結界として、坂柳はわざと負け、この勝負は、龍園クラスの勝利となって幕を閉じました。
坂柳はこの学園を去ることが決定しました。
つまりこれは橋本が500万プライベートポイントを獲得したって事ですよね?
いよいよ、綾小路、橋本たちのクラス移動の展開が近づいてきたってことでしょうか。
まとめ〜がんばれ衣P先生!〜
はい、ということでいかがでしたでしょうか。
やっぱり「よう実」はやばいなぁ、と思わせてくれますね。
ついに「坂柳」という絶対王者が陥落しました。それにリーダー格から退学者が出るのは初ですね。
坂柳はプロテクトポイントを保持していましたし、普通なら退学しないのですが、今回は龍園との契約だったので、それも無効に。
そもそもの話、この勝負を受けるのは、坂柳にとってもそこまでメリットがないと思うんですよ。もちろん龍園を消せるというのはあります。
しかしそれよりも坂柳の龍園に負けるはずがないというプライド、自信。そして実力を考慮しても、龍園を消せるのは確実だった。だからこそ引き受けたと取るしかないですかね。
そしてそれを綾小路は、最大限利用したということですかね。
個人的にはやはりこうなってしまったかという展開でもありましたが、それでも先生は上手いなぁと改めて思いましたね。
正直、坂柳を負けさせるにしても、その見せ方ってすごく難しかったと思うんですよ。
たぶん他のキャラクターの中でも、坂柳はリーダー格であり、更にかなり特殊な部類に入りますから、それでも「らしさ」がちゃんと感じられる、最善な幕の引き方をしたのではないかなと個人的には思えました。
おそらく坂柳の幕引きには、何パターンかあったはずなんですよ。最後の最後で、龍園が大逆転とか、何かしらの仕掛けをしていたとか、私にはせいぜいこれくらいしか思いつきませんが、笑)
でも綾小路という存在を使って、外側から予想出来ない展開にもっていく。
終わってみれば確かに、坂柳は、綾小路級にしか納得させることは出来ないとう特性もありますから、それを考慮しての結果なのかなと。
過去の記事でも坂柳が負けるのではないか?ということを書いたり、綾小路の今後の展望について勝手につらつらと書いてきたりしました。
私たちが勝手にあいつは退学するとかって、一言で書くのはすごく簡単だと思うんですけど、主要なキャラクターであればある程、その見せ方って難しいですから、この巻は先生にとってもかなり難しい巻だったのではないでしょうか。
そんな自分でも、本当に最後の1ページまでどうなるかわかりませんでしたし、ハラハラドキドキしましたね。
綾小路の本性も今まで以上に出てきて、坂柳退学もそうですが、堀北クラスからも前園を処分しましたし、ついに一之瀬にまで綾小路の正体を見せました。
堀北との別れの挨拶のようなものあり、3年生編からの事を想像するだけも、ますます楽しみです!
先生のあとがきによると次回は短編集12.5巻になるとのこと。1巻分増えた?くらいで、ほぼ1年生編と同じスケジュールになりそうです。
この短編集は試験後の春休み?になりますよね。
そうなってくると、もしかしたら軽井沢の誕生日を迎える可能性が高く、いよいよ決着がつくのかもしれません。
他にも学年末特別試験後の補完、3年生編への準備、南雲たちの最後などが描かれていくのかもしれませんね。
あとはその後の、星之宮先生も気になりますし、一之瀬、坂柳などのその後も気になり…というか気になることが多すぎます。笑
まぁ勝手に言ってるだけで、どうなるかは全くわかりませんが。笑
何より、満身創痍で今回の闘いで、更にボロボロになった先生が心配ですが、本当にお大事にください。
また年内には会えたら会えるそうですが、残り5ヶ月あるかないか、気長に待つことにします。笑
そしてトモセ氏も素晴らしいイラストを毎度ありがとうございます。先生二人の表紙最高でした。笑
それでは今日はここまで。
あぁ、気づけばまた長くなってしまった。最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の短編集でお会いしましょう。さようなら~
そっか……坂柳いなくなるんかぁ……そっかぁ……
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