あらすじ
父親殺しの嫌疑をかけられたドミートリイの裁判がはじまる。公判の進展をつうじて、ロシア社会の現実が明らかにされてゆくとともに、イワンの暗躍と、私生児スメルジャコフの登場によって、事件は意外な方向に発展し、緊迫のうちに結末を迎える。ドストエフスキーの没する直前まで書き続けられた本書は、有名な「大審問官」の章をはじめ、著者の世界観を集大成した巨編である。
(新潮社より)
感想・レビュー
正直に言うと、いまいち消化不良な気がしました。
特にイワンとドミートリィの広げた風呂敷がまだ何も畳まれてない気がして。
確かに当時のロシア的な確信は描かれているので面白いですし、とても判断が難しいのですが何でしょう。裁判のモヤっとした結末か。
一応実際のモデルがあるらしく、でもそれなら別にここまで話を大きくする必要はなかったような気もします。長編なので勝手にカタルシスを求めてしまった部分もあったのか。
ドスト氏は本当にこの終わり方で納得していたのでしょうか。
「罪と罰」のラストが今でも覚えている程の素晴らしい哀愁だったのでそのせいでしょうか。
そして以前この感想を書いていたら、わざわざ親切な方がコメントまでして教えて頂いたのですが、本来「カラマーゾフの兄弟」には続きがあったらしく、ドストエフスキーはその途中で亡くなってしまったらしいとのこと。
なるほど。永遠の未完と。原因解明です。
これを聞けて大変納得しました。その方にはとても感謝しています。
もしドストエフスキーが生きていて全部書いていたら、と思うとどうなったのでしょうか。