あらすじ
館長が死の直前に残したメッセージには、ラングドンの名前が含まれていた。彼は真っ先に疑われるが、彼が犯人ではないと確信するソフィーの機知により苦境を脱し、二人は館長の残した暗号の解読に取りかかる。フィボナッチ数列、黄金比、アナグラム……数々の象徴の群れに紛れたメッセージを、追っ手を振り払いながら解き進む二人は、新たな協力者を得る。宗教史学者にして爵位を持つ、イギリス人のティービングだった。
(KADOKAWAより)
感想・レビュー
前回「ダ・ヴィンチ・コード(上)」の終盤で、『聖杯』という単語を残し終わりましたが、そこからスタート。
まずは聖杯伝説に纏わる話があり、そこからレオナルド・ダ・ヴィンチの〈最後の晩餐〉の仕掛けが、キリスト教という点から象徴学的に、宗教的にどういう意味を成しているかなど、今回も知的心をくすぐる謎が色々と判明していきます。
マグダラのマリアやイエス・キリストについて、どこかで聞いたことがあるようなないような感じでしたが、薔薇や男女を表す記号だったり、ウォルト・ディズニーの逸話など、とても興味深く読めて楽しかったです。
その辺りは、個人的に別の本を読んで知りたいと思いました。
さて話を戻しまして、その前にラングドンとソフィは、現在進行形で逃走中。
その逃走劇もそれなりに面白い。
そして二人は、もう一人の仲間〈リー・ティービング〉に会いに行く。
リーは、聖杯について人生をかけて研究しているイギリス人の宗教史学者で、一旦彼の家にかくまってもらい、今までの状況などを整理します。
だがそこに〈オプス・デイ〉の修道僧・シラスが襲撃してくるなど、ここで初めて二つの視点が合流します。
一悶着あったものの、シラスを拘束したラングドンたちは、追いかけてくるファーシュたちから逃げるべく、リーの自家用飛行機でフランスを抜け出し、イギリスへと向かう。
その道中、ソフィの祖父ジャック・ソニエールが残した暗号解読に成功し、失われかけたキー・ストーンの道筋が残りました。
そして上巻でソフィが祖父となぜ10年間も口をきかないことになったのか、その原因やその他の伏線などが少しずつ回収されたりしました。
まぁ確かに、流石に自分がソフィのように大学生で、自分のおじいちゃんや年老いた婆さんたちがあの様な儀式をしていたら誰だって腰を抜かし、常軌を逸した集団乱交にしか見えません、笑
それでも二千年という歴史の中での儀式という点を知れば、如何にも人間的な思考だなと関心のような気持ちが沸き起こりました。
そして最後にラングドンたちはどうなるのか。個人的にこの先どうなるか正直全然わかりません。笑
鍵はシラス、オプス・デイの司教アリンガローサたちにあるかもしれません。
次巻で完結するので早くその結末を読みたいと思います。