あらすじ
舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。
冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。
日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。
(集英社より)
感想・レビュー
おそらく2022年最後の読書感想になると思われます。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
大掃除に明け暮れている人やまったりしている方。年末年始関係なく働いている方、それぞれの過ごし方があると思いますが、私はいつも通り読書ライフです。笑
さて今年の締めくくりの一冊は、恩田陸さんになりました。
特に何か思惑があるとかでもなく、ただいつも通り積読を回していたらそうなってしまったという感じですが…笑
本当に偶然ですが、作中でも12月30日の年の暮れで終わっていく…という展開で、何かこの一冊を今読んだことに縁みたいなものを感じました。
さて恩田陸さんの作品は【蜜蜂と遠雷】以来で、かなりお久しぶりです。
まずいつもの所感としては、ゆったりと楽しめつつ読めたかな、という感じでしょうか。
特別な面白さや展開がある訳でもないのですが「男子高校生たち四人が学生寮で過ごすちょっと不思議?な冬休み」という感じで、日常ものというような感じでもありました。
その中で、少しダークというか、ホラーチックなミステリ的部分もありましたが、あくまで話運びの材料程度の軽いもので、主にノスタルジー漂う男子学生寮の日常。
そもそも年末年始の冬休みに実家に帰らない、という時点で何かある四人組なのですが、その四人の過去や家庭環境が年末を過ごしていく過程で露呈していきます。
その詳細は省きますが、主に悲しいものが多いです。ですがそれを仲間たちで補い合っていきます。
この時の男子特有の友情?身内?感みたいな関係性は、読んでいてどこかとても懐かしい気持ちになりました。
彼らは比較的優秀な学校の未成年の青年たちですが、普通に酒や煙草をやっていて、それも当時の時代感としてはあながち間違っていないでしょう。笑
最後は仲間の一人がアメリカに発ち、歳が暮れていき、また彼らも日常へと戻っていく…という流れも良い映画が見終わったような読後感でした。
余談ですが、あとがきを読んでやっぱり思ったのは恩田さんはやっぱり少し変わった人、というか作家だなぁと感じれる面白い内容でした。笑
また何かの縁があれば恩田さんの別作品が読みたいですね。
それでは今日はここまで。今年もありがとうございました。
来年もこれまで通りやっていく予定です。
皆様良いお年を。良い読書ライフを。