ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団【あらすじネタバレ感想】死闘の末に明かされる予言の真実

あらすじ

闇の帝王が復活した。

その恐ろしい記憶が悪夢となり、ハリーを苦しめる。夏休み、孤独なハリーを救いに来たのは、不死鳥の騎士団という謎の集団のメンバーだった!

5年目の新学期、魔法省は同省の役人アンブリッジを、ホグワーツに送り込む。校内には厳しい校則が張り出され、嘘つき呼ばわりされたハリーに、残酷な罰則が科せられる。

実技を教えないアンブリッジに対抗して、ハリーが教師役を務めるダンブルドア軍団(DA)が結成された。DA仲間が心の支えになる。しかし、ハリーの悪夢はますますひどくなる。

自分の中にちがう誰かが住んでいるようだ。ある夜、大切な人が、闇の帝王に捕らわれたことを告げる夢を見る。

救出に向かったハリーは、夢で見た黒い扉の前に立った。そこで待ち受けていたものは・・・

(静山社より)

感想・レビュー

ハリー・ポッターシリーズ第5弾!というこで、長いような早いような。

前回もとんでもないページ数でしたが、今回はそれを越えてくるページ数で恐らくシリーズ全体の中でも最長の巻になるかもしれませんね。

さて、前回はいよいとヴォルデモート卿が完全復活したということで、作品全体としてもダークな雰囲気に包まれてきました。

本当に続きが気になって仕方なかったです。学生の頃に読んだ時の記憶は、微かにしか残っていないので(結末は除く)それが逆に良かった。

そんな感じでまずいつもの所感から。もう何ていうか、この長いシリーズの物語を、ただ純粋に楽しんでいる自分がいるなと思いましたね。文句なしの面白さでした。

緊張感と疾走感のある怒涛の展開が続き、クオリティは過去最高のものでした。

上巻

それでは軽く物語を振り返っていこうかなと。

まずいつものようにダーズリー家での日常生活に戻ったハリー・ポッターでしたが、束の間、吸魂鬼が襲いかかってくる展開に。

流石に5年目ともなると、もう展開の仕掛けも早い!

他にもペニチュア叔母さんの秘密が発覚したり、周囲の家には実は魔女がいたりと、今までのダーズリー家の見え方も変わってきて、今までの中でも一番冒頭が面白かった。

そして次にハリーのもとにタイトルにもある「不死鳥の騎士団」が迎えにくる。そこには「マッド・アイ・ムーディー」や「ルーピン先生」の姿もあって嬉しい。

なんて言ったてハリーに「守護霊(エクスペクト・パトローナム)」を教えたのは、あのルーピン先生ですから、ハリーを含めハリーが守った者たちは、ルーピン先生がいなかったら、皆もう既に死んでいたでしょう。

ロンとハーマイオニーとも再会しますが、ハリーのイライラは絶頂にて癇癪を起こす。

ハリーには「もう少し大人になりなさい」と思う反面、確かにまだ14〜5歳の思春期なので一番難しいお年頃なのかもしれない。

それとヴォルデモート卿と命のやりとりをしたという事もあるのでしょう。

そして、ハリーは魔法省から尋問にもかけられ、ダンブルドアのお陰で何とか助かります。

しかしヴォルデモート事件以降、「ダンブルドア」と「コーネリウス・ファッジ(魔法省)」の関係は、日増しに悪くなっているのが分かりました。

愚かにもヴォルデモート卿の復活を認めたくない魔法省には、まさかの「パーシー・ウィーズリー」も加担し、家族との縁を切る展開にもなっていました。

ようやく新学期が開幕し、ロンとハーマイオニーは監督生になり、ジニーの同級生である「ルーナ・ラブグッド」もこの巻から登場。

あとロンは、グリフィンドールのクィディッチのキーパーにも選ばれます。

そしてハリーは、校内全体から白い目(嘘つき)で見られます、去年もほとんどそんな感じでしたが、笑

前学期に死者を出したホグワーツ校内には、不穏な空気が漂う中、追い打ちをかけるように魔法省からの刺客として「闇の魔術に対する防衛術」の新教授アンブリッジ先生が赴任。

しかしハグリッドの姿はありませんでした。そしてこのアンブリッジが本当に憎らしいんですよね。

さらにハリーたち5年生にとっては、今年が一番大変な年で「OWL(ふくろう)」という試験も控えている中、防衛術もろくに教えず、スネイプがまだ優しく見えるくらい、ハリーはアンブリッジに陰湿な罰則を与えられ続けます。

アンブリッジは、魔法省の権限を使い、ホグワーツ全体のルールをどんどん変えて、最高権力者になろうとしていきます。

その中で、ハーマイオニーが提案した「ダンブルドア軍団」により、ハリーを支持する生徒たちが秘密裏に集まり、防衛術を学ぶ会がはじまります。

ここはとてもワクワクしますよね。

そして去年は「三大魔法学校対抗試合」によりなかった毎年恒例のクィディッチも開催されました。

グリフィンドールはスリザリンとの試合があり、ロンにとってはデビュー戦。グラップとゴイルにとっても。

グリフィンドールがまたもや勝利しましたが、マルフォイの挑発により、乱闘に。ハリー、フレッド、ジョージが永久的にクィディッチ禁止の罰をアンブリッジが与える展開になりました。

スリザリンに勝利したものの、意気消沈するハリーたち。しかしそこで嬉しいことに「ハグリッド」がホグワーツに帰ってきたのです。

下巻

ホグワーツに帰還したハグリッドの物語が明かされ、「聖マンゴ魔法疾患傷害病院」ではネビルの悲しい両親の過去が、ハリー以外にもロンとハーマイオニーにも伝わります。

その後、ハリーはスネイプから「閉心術」を覚える為、特訓に励みますが、中々習得出来ずに、ヴォルデモートとの同期が止まりません。

その中で、スネイプと父親のジェームズ・シリウス・ルーピンたちの過去をハリーは知ります。

父親の傲慢な姿にハリーはショックを受けますが、この辺りは読んでいてハリーの成長、心の機微を本当に上手く描くなぁと思いましたね。

他にもハグリッドが禁じられた森で巨人を飼いはじめたり、ケンタウロス界隈の話もありました。

トレローニーやハグリッドがアンブリッジによってクビにさせられ、フレッドとジョージが学校を辞めたりとホグワーツでは、アンブリッジのせいで日々、生徒、教師共にストレスはピークに達していました。

それだけアンブリッジという存在は、物語のスパイスとしても、過去一番といっても過言ではないくらい分かりやすい敵役だったかなと。

混沌した空気が漂う中、ハリーたち5年生は「OWL(ふくろう)」の試験が開幕。

正直それどころではないくらいハリーの精神状態は良くなく、それが仇となり、ハリーは結果的にヴォルデモートにおびきだされる展開にまでなっていきます。

神秘部でハリー、ロン、ハーマイオニー、ジニー、ネビルの5人は、「ベラトリックス・レストレンジ」、「ルシウス・マルフォイ」など、死喰い人達との死闘がはじまります。

もうこの辺りは緊張感も高く、捲るページが止まりませんでしたね。

その後、絶体絶命のピンチが何度もあり、ヴォルデモートまでも参戦してきて、「不死鳥の騎士団」やダンブルドアが助けにきてくれる展開は熱すぎました!

戦いはダンブルドアの力によって一旦幕を閉じましたが、ハリーは心に大きな傷を背負ってしまいました。

そして悲しいことに、ハリーの名付け親である「シリウス・ブラック」が死んでしまいます。

その後、ハリーの今までとは違う心情が描かれる中、ダンブルドアがハリーにずっと伝えたなくてはいけなかったこと「予言について」を明かし、涙を流しました。

その予言の内容とは、分かりやすく書くと「ハリーポッターかヴォルデモートのどちらかは必ず死ぬ」というもの。

そして魔法省(ファッジたち)は、ヴォルデモートの存在を目の当たりにし、魔法世界に真実を告げることに。

この辺りは、散々ハリーやダンブルドアたちが悪者扱いされてきた中で、スッキリするポイントでありましたね。

アンブリッジが学校から去り、ダンブルドアが校長へと復帰し、ひとまず今年のホグワーツも終わりました。

個人的にはもう少し愚かなファッジやアンブリッジたちに制裁を与えて欲しいと思いました。笑

まとめ

流石に過去一番長い物語なので、詳細はかなり省きましたが、物語を思い返す過程で、改めて本当によく考えられた物語だなぁと思いましたね。

トレローニー先生の存在や、多くの伏線が回収される中、ダンブルドアの人間味が最大に出た巻でもありました。それにしてもダンブルドアの強者感がかっこよかった。

それにハリーがにシリウスを呼び出す「両面鏡」の存在を忘れていた辺りは、胸が締め付けられるようなシーンでもありました。

ダンブルドアも言っていましたが、ハリーの抱える問題や責任があまりにも重すぎるものとなっており、主人公らしくもありますが、その中でもこの年齢にしては過酷すぎるものになってきました。

ハリーは最後の最後で、仲間がいることを確認出来たような一面で終わりましたが、それでももう過去のハリーには戻れない。そういう物語でもあったかなと思います。

他にもチョウ・チャンとの失恋というか関係終焉もありましたね。

そもそもチョウ・チャンは最後にあっさりと別の男と付き合っていたりと、ハリーとは絶対に結ばれるような人柄ではないですから、仕方なかったのかなと。笑

他にも今回大活躍したルーナ、ジニー、そして第2の主人公であったネビルの存在も色濃く描かれていて、この巻は1年生の時のネビルからは考えられない人物像になってきたかなと思います。

この巻でネビル・ロングボトムが好きになった人は多いかもしれません。

ハリーと一番近い存在である、ロンとハーマイオニーもそれぞれ少しずつ成長して、現実と向き合う覚悟が出来てきているのかなと。

相変わらず最後の寮得点のくだりは、毎度ガバガバすぎて笑ってしまいましたが。

禁じられた呪文も飛び交いまくる中、懐かしの「ウィンガ〜ディアム・レヴィオ〜サ!」も出てきたり、こういうシリーズならではの楽しさもありました。

そういえば、最後の駅のくだりで、フレッドとジョージもウィーズリー叔母さんたちと一緒にいてどんなひと悶着があったのか、パーシーみたいにならなくて良かった。笑

残すところあと二作品で終わってしまうのが勿体ないシリーズですが、早く続きを読みたいと思います。(2024年内には読み終わらせたい!)

それでは今日はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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