あらすじ
彼女と別れて久しい大学生・藤ヶ谷翔。友達の勧めで始めたマッチングアプリで、会話が弾む相手がいた。
(角川スニーカー文庫より)
しかもアプリが示す俺たちの相性は……なんと98%!
新たな恋に踏み出すいい機会。約束したデートの日、待ち合わせ場所にいたのは――疎遠になっていた元カノ・高宮光だった!?
あの頃のように口喧嘩しながらも、心なしか滲む後悔と未練……。一方で、俺にはもうひとりマッチしている人がいた。
同じ大学のぼっち美少女・初音心。引っ込み思案を直そうとアプリを始めたらしいが、健気で頑張り屋な彼女はぐいぐい距離を詰めてきて!?
やり直しか、前進か!! アプリが繋ぐ最旬・大学生ラブコメ!
感想・レビュー
角川スニーカー文庫は、かなりお久しぶりですね。
というのもまず色々ありまして知人が書いた本を読むことになりまして、笑
まさかこのブログをやっていて「知り合いが書いた小説を読む日がくるなんて」とは思いましたが。
でもまず彼がライトノベル作家になったことが驚きで、そして素直に嬉しかったですね。
そもそもお互いラノベが好きで仲良くなった間柄ではありましたから、まさか書いてるとは全く知らずで。
さてさて、そういった諸事情により感想がいつもより少し難しいのですが、いつも通りやっていきます。
まずいつもの所感としては、素直に王道路線なラブコメとして楽しめたかなと。
さらに題材が『マッチングアプリ』というのも個人的には新鮮でしたし、ご都合的展開にも目を瞑れる安定感もあって、読みやすかったかなと。
書きながらいま思ったのですが、これなに書いても身内贔屓みたいで、申し訳ないですね。笑
ではいつものように軽く振り返っていきます。
主人公の「翔(マッチングネーム:カケル)」はどこにでもいるような大学生で、元彼女である「光(マッチングネーム:アカリ)」との未練を断ち切れないまま過ごしていました。
ある日、友人にマッチングアプリを勧められ、顔出しをしないまま活動します。同じく顔出しをしていない女性と相性も良く、マッチングに成功。
顔出ししないでマッチングに成功するのは、わりと奇跡的というか運が良いらしい。
いい感じのチャットトークが続き、いざ会ってみることに…………元カノ(光)と再会……
お互い、顔出しせず名前も変えてトーク続けて、いざ再会で3年付き合った元カノ、元カレ…笑
タイトルにも出オチにも使われていますが、これ実際だったらかなり気まずいですよね。笑
でもこの時点で掴みにも成功していますし、結構面白いんですよね。
いまの時代の流れも汲んでいますし、新しいラブコメの形なのかな?と思いました。
そんなこんなで二人は、1年ぶりに再会しました。光は典型的なヒロイン体質で、わがままツンデレ系でスタイル抜群、ヴィジュアルも良し。
食事などを交え、ここでお互いがどれだけ知り合った仲なのか分かっていきます。
二人共とにかく喧嘩するのですが、どちらも未練を断ち切れていないことが徐々に徐々にわかっていきます。
次に翔は、光との未練を断ち切るためにマッチングアプリで、同じ大学生のマドンナ・ココロさんと出会います。
どう考えてもそんなことないやろ、っていう出会いの連続ではあるのですがそこはご愛嬌。
ココロさんは、人見知りで、サ行を噛んでしまうけど、可愛い。負けヒロイン確定の匂いはするのですが、個人的に推したい、負けてほしくない!笑
翔はマッチングアプリでの出会いをきっかけに、ココロさんと交流していくことに。
徐々にココロさんとの距離が近づき、デートに。
そうです、書くの忘れていまししたが、本作は神戸の街が舞台なんですよね。
私も著者と同じ街で育ちましたから、この街の使い方も読んでいてとても良いなぁと思えましたし、懐かしい気持ちにもなりました。
二人がデートをしている雰囲気も良かったのですが、翔はどこかで光のことを思っていました。
同じく視点を光に変えて、未練タラタラな様子が描かれていました。
つまり二人には未練しかない。笑
そこで愛すべき友人キャラ・縁司が、一肌脱ぎます。笑
内容は少し省きますが、縁司は何度か二人を接触させ、更に自分からヒール役を演じ、すかさず舞台を去っていきます。プロだ。幸せになって欲しい。笑
縁司のおかげもあって、二人は本音で気持ちをぶつけ合うことに成功します。
そのまま復縁というわけではありませんでしたが、わだかまりは解けて、物語は一旦終わり。
ここでよりを戻されても物語がそこで終わってしまうので、今後の展開でなにか変わっていくのでしょう。
そしてココロさんはより一層燃えていた…ヒロインレースの幕開け…という感じで展開的にも王道ではある本作ですが、今後のやり方次第で、どうにでもなるのでまた楽しみですね。
全体の構成も綺麗で、一人称の文章も良い表現だなぁと思う所も幾つかありました。
あとイラストに関しても触れておきます。イラストレーターは秋乃える氏。
初刊とは思えないクオリティの高さにも驚きましたし、表紙口絵はもちろんなんですが、何より挿絵が上手いのが凄いなぁと思いました。
女子は可愛く、男子もかっこよかったです。
余談ですが、著者があとがきでマッチングアプリで元カノとマッチングしたと書いてあったので、今度会った時に詳しく聞いてみたいと思います。笑
そもそも私個人としては、彼が小説を書いていることを最近まで知らなかったので、本当に驚いていますね。笑
いま読み返しても身内贔屓満載の感想になってしまったので、笑)それでは今日はこの辺で終わりたいと思います。
お読み頂き、ありがとうございました。