日蝕【あらすじネタバレ感想】平野啓一郎は23歳で芥川賞を受賞した

あらすじ

弱冠23歳で発表された平野文学の原点! すべてはここから始まった。

『日蝕』
15世紀末、ペストの猖獗によって荒廃した南仏の小村を舞台に、旅の途上の若き学僧の聖性体験を、漢語を多用した華麗で清新な文体で描き出し、文壇に衝撃を与えたデビュー作。
錬金術の作業過程と魔女裁判とが幻視的に交錯する重層的な構造で、クライマックスの焚刑の場面は圧巻。
90年代の閉塞からの超越が希求されたが、「悪」との暴力的な対峙という00年代以降の政治状況の予言ともなった。
第120回芥川賞受賞。発表時、京大法学部の学生だったことも話題となり、40万部のベストセラーとなる。

(平野啓一郎公式サイトより)

感想・レビュー

第120回芥川賞受賞作

平野啓一郎さん初読みになります。当時23歳。

二十歳そこらで書き上げた格調のあるこの文体は、恐らく文豪を凌ぐ技量だと思います。

素直に凄いですね。

15世期末フランス。異端審問。錬金術。両性具有者。

神学僧の探究心が次々と別の処に移り変わっていく様は引き込まれます。

本来もっと分かり易く書けたのかもしれませんが、この文体を貫き通したからこその自我の忘却、日蝕の描写に感動を覚えました。

結局、両性具有者は本当に何だったんだろう。私は、私だとも言っていた。

啞の少年もどうなったんだろう。それがただ謎で、面白かった。

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