あらすじ
戦争の気配迫る昭和初期の大阪を舞台にした四姉妹の物語。谷崎の代表作!
奔放な四女・妙子は神戸の大洪水に遭うも一命をとりとめた。しかしその後さらなる悲劇が妙子を襲う。三女・雪子は、縁談を期待して東京の本家に移り住むことになるが、都会の空気になじめず――。
(KADOKAWAより)
感想・レビュー
細雪の二冊目。
相変わらず面白かったなあというのが素直な感想です。良い読書ができました。
中巻は様々な事件が頻発していくなかで、三姉妹のより深い部分が見えてきます。登場してくる人間の見せ方が絶妙です。
三姉妹の美しさや弱さ、品性であったりを大切に表現しています。
それに反発する妙子の姿こそ、現代女性の姿を表しています。
あとは女中のお春どんがやっぱり面白い。
文量がありますが、文章も流れるように読みやすく、それを感じさせない。
これが谷崎の凄いところ。残りの下巻が楽しみです。