あらすじ
珠玉と呼ぶにふさわしい極上短編が、こんなに読みやすくなりました。
荒廃した平安京の羅生門で、死人の髪の毛を抜く老婆の姿に、下人は自分の生き延びる道を見つける。表題作「羅生門」をはじめ、初期の作品を中心に計18編。芥川文学の原点を示す、繊細で濃密な短編集。
(KADOKAWAより)
感想・レビュー
「羅生門」は学生時代の国語の教科書以来。
「老年」「ひょっとこ」「仙人」「羅生門」「鼻」「孤独地獄」「父」「野呂松人形」「芋粥」「手巾」「煙草と悪魔」「煙管」「MENSURA ZOILI」「運」「尾形了斎覚え書」「日光小品」「大川の水」「葬儀記」
上記の18作品が収録されているが、読んでみてこんなにも良い作品ばかりで感動した。
末文の美しさや表現の豊富さは読んでいる側が気持ちよくなります。
全作品の感想を書きたいが、覚えていない作品も多い。
印象に残った作品ばかりで何を感想として残せばいいのか分からない。
個人的には「芋粥」はかなり笑った。なんかドリフのネタみたいだなと感じた。あのノリ好きだな。
「鼻」や「手巾」もかなり好きですね。
その中でも「尾形了斎覚え書」は読み辛さがあって何度も解説を読んで、終わり方も一番不可解であるが、何か心を揺さぶられるものがありました。
あとは「葬儀記」か。夏目漱石の死後、所謂木曜会メンバーとかそんな感じだったか。
芥川は漱石門下生のたかが一人に過ぎないが、やはり深い悲しみを負っていたのが伝わった。
また時が経った頃に読みます。