あらすじ
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。
そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして——。
あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本。
(文藝春秋より)
感想レビュー
このミステリーがすごい!《2004年》第一位、第4回本格ミステリ大賞受賞
どうも、季節の変わり目でしっかりと風邪を引いてしまった者です。笑
私は風邪を引いてしまった時は、大抵鼻がぐずってしまい、ついでに目もしょぼしょぼとしてくるので、長時間の読書がしんどくなって辛いダブルパンチを食らうたちなのですが、
読書好きの皆様はいかがお過ごしでしょうか。
早いものでもうすぐ2024年も終わってしまうということですが、今年中に読んでおきたかった本との戦いが始まってくる頃でしょうか。
さて、今日紹介する本は、いつか読んでみたいと思っていた一冊で、この機会に読めて良かったです。
まず読了後の所感としては「いやぁ、面白い」という感じで、純粋に楽しめましたね。
いわゆる叙述トリックを使った小説なのですが、こういう小説は何度出会っても嬉しいものですね。
主人公や周囲の登場人物たちが、「若者かと思ったら実は全員年寄りだった……」というかなり狂った仕掛けには、つい笑ってしまいました。
しかし軽く全体を読み返してみると、確かにこれはすごいなぁと感心させられます。
ですが冷静になって考えてみると、書き出しの文章から最高に気持ち悪くて、最高です。笑
それでは簡単に物語の振り返りを。
若者風を装った主人公(老人)の一人称で、物語は幕を開きます。
主人公は、ある日「麻宮さくら」という女性が地下鉄のプラットフォームで自殺を試みようとしていて、その現場を救ったところから二人の関係ははじまります。
※ここで読者の大方は、若い子たちの恋愛が始まったと勘違いするような一人称で物語が進みます。
やがて主人公は、蓬莱倶楽部という詐欺集団との対決に巻き込まれていくような展開で、探偵事務所に入ったり、ヤクザに潜入したり、時系列を巧みに操って、最後にどん!という感じですね。
登場人物たちに感情移入するという作品でもないので、あくまでトリック優先型というのは仕方ないですが、最後の主人公たちや、蓬莱倶楽部たちはどうなったんでしょうね。
その辺りも少し見たかったような気もしますが、まぁいいでしょう。
あとは本作が発行されたのが、2003年頃となっているので、執筆はそれ以前ですから、
社会保障のくだりなど、部分的に先見の明が発揮されていたりもして(完全一致ってわけではないが)その辺りも素晴らしいなぁと思いました。
基本的にどの叙述トリック作品にも共通する点は「偏見の利用」なんですが、
この物語は「年寄りはここまでアクティブではなく、恋愛もしない」という偏見を利用したトリックでしたね。
あと私は基本的にこういう作品の「年代月日」とかって、ファンタジー作品とかでもない限り、明記されていても読みながらあんまり覚えないので、このトリックにまんまと引っ掛かってしまったのかなと思います。
まぁそれでもトリックというのは、騙されないと面白くないですから、これはこれで良いんですけどね。笑
風邪が辛いので今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様もお身体にお気をつけて〜
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