魔女に首輪は付けられない【あらすじネタバレ感想】第30回電撃小説大賞受賞作

あらすじ

私が望んでいることはただ一つ、『楽しさ』だ。

☆☆☆応募総数4467作品の頂点! 第30回電撃小説大賞《大賞》受賞作!☆☆☆

貴族階級が独占していた魔術が大衆化するとともに、犯罪率が急増。対策として皇国には魔術犯罪捜査局が設立された。
 捜査官であるローグは上司ヴェラドンナの策略により〈第六分署〉へと転属。そこは、かつて皇国に災いをもたらした魔女と共に魔術事件を捜査する曰くつきの部署だった。
 厄災をもたらすまでの力を有するが故に囚われ、〈首輪〉によって魔力を制限された魔女たち。だが、〈人形鬼〉ミゼリアをはじめ、魔女たちはお構いなしにローグを振り回し――!?

「ローグ君、一言でいいんだ。私に命令してくれよ。その男に魔術をかけろって。一言でいいんだよ。そいつの精神は崩壊するけど事件は解決するよ!」

魅力的な相棒(魔女)に翻弄されるファンタジーアクション!

(電撃文庫より)

感想レビュー

第30回電撃大賞〈大賞〉受賞作

毎年恒例の電撃大賞も30回目を迎えたということで、そして世界はもう31回目がすでに決まっているということで、、、

それではさっそく長き月日の積読から解放した本作の所感から参りたいと思います。

それなりに楽しめつつも、想定以上の何かがある感じでもなくという印象でした。

全体的に流れも纏まっていて、細かい展開の仕掛けなどの読ませる工夫もあります。

登場人物の個性もそれなりにあって、十代の読者が楽しめるようなものになっていたかなと思います。

ただ全体的に人物たちの動き方、それに対する動機などに、もっと納得出来る要素があれば良かったかなと。それでも聖女のあの感じは面白いなと思いました。

世界観もSPEC(ドラマ)とそれよりも少しファンタジー成分を加味したような、日本人が馴染やすいものになっていたかなと思います。

全部がライトノベルとして、平均点を取れている印象をすごく感じました。

ただやっぱりミステリー・サスペンス的な謎を追う展開として、魔法・魔術の類がある世界観だと、

ハリー・ポッター」ぐらい練りこみ、先に伏線撒いておかないと後出しまつりになるので、フェアじゃなくなります。

そうなってくるとどうしても謎追い要素としての引っ張りや面白さは、大事な終盤で半減してしまうかなと思います。

まぁこれには、著者さんがどれくらいのレベルの物語や完成度を目指していて、どの部分を重視して書いているかにもよりますので、一旦この辺りで止めておきます。

あとは続編も映像化も想像できそうで、特に世界観はまだ明かされていないこともあり、その辺りが今後も楽しめる要素かなと。

ただ個人的な欲を言えば、それ以上の可能性が感じられなかったのも正直なところです。

何と言うか、心を揺さぶられるようなものは見受けられませんでした。

ただこれは個人的な思いとして、電撃大賞の大賞作品には特に、エンタメの領域に留まらず、

それらを凌駕してしまうような新人さんが出てくれば、またゼロ年代や十年代のような電撃文庫の大きな一時代が見られるのかなと。

それでは今日はここまで。

最後までお読みいただきありがとうございました。

また来年の受賞作品でお会いしましょう。

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