山月記【感想】(青空文庫・中島 敦)

感想・レビュー

李徴が自尊心により虎になる話。

有名になりたいが故に誰かと分かり合えない。

若しくは分かり合いたくない。

だがその為の努力はあまり出来ないから、羞恥心が肥大し、更に自尊心で覆い被ってしまう。

虎になった時にはもう遅く、最後まで動物にも理解して貰えない。

寂しいが何とも普遍的な感情です。一度自身が立ち止まってゆっくりと深呼吸してみるいいきっかけにもなります。

この作品は主人公が人間ではなくなってしまう点からフランツ・カフカの「変身」にも通づる面白さがあります。

短いので時間がない人にもオススメですね。