石の来歴 浪漫的な行軍の記録【あらすじネタバレ感想】石に異常な執着をみせる男の人生を描く!

あらすじ

現実と非現実の交錯を描く芥川賞受賞作。石に異常な執着を示す男の人生。長男の死、妻の狂気、次男の学生運動、夢と現実の交錯のなかで描かれる奥泉光の芥川賞受賞作。他に「浪漫的な行軍の記録」所収ーー太平洋戦争末期、レイテで、真名瀬は石に魅せられる。戦後も、石に対する執着は、異常にも思えるほど続くが、やがて、子供たちは死に弄ばれ、妻は狂気に向かう。現実と非現実が交錯する、芥川賞受賞作「石の来歴」。兵士たちの、いつ終わるとも知れぬ時空を超えた進軍、極限状況の中でみたものは……。帝国陸軍兵士の夢と現を描く、渾身の力作、「浪漫的な行軍の記録」所収。

(講談社BOOK倶楽部より)

感想・レビュー

第110回芥川賞受賞作

表題作「石の来歴」と長編「浪漫的な行軍の記録」が収録。

奥泉光さん初読みになります。

両作とも戦中を交えた作品なのが共通。

まず「石の来歴」から、戦場で石の話を聞かされた男が石に異常な執着を見せて人生がどんどん変わっていく話。

それは長男の息子にも遺伝し、それが家族を予想外の方向に解散させていく。

「浪漫的な行軍の記録」を読んで分かっていくのだが、この作品は前作の石の来歴と世界観が共有されている節がある。

行軍はひたすら日本側の行軍描写と現実の虚構が残酷なままでに描かれていて、印象に残ったのは誰もが天皇陛下万歳で腹に爆弾抱えて突撃できない。そうさせるのは人の目だ。

日本人は内なる神をもたない。以下にも日本式で、天晴れ。

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