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第十回本屋大賞【2013年】
第十一位「光圀伝」冲方丁
あらすじ
「なぜあの男を自らの手で殺めることになったのか」老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎でその経緯と己の生涯を綴り始める。父・頼房の過酷な“試練”と対峙し、優れた兄・頼重を差し置いて世継ぎに選ばれたことに悩む幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れる中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて文事の魅力に取り憑かれた光圀は、学を競う朋友を得て、詩の天下を目指す―。誰も見たことのない“水戸黄門”伝、開幕。
(KADOKAWAより)
第十位「屍者の帝国」伊藤 計劃、円城 塔
あらすじ
屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける―伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
(河出書房新社より)
第九位「百年法」山田宗樹
あらすじ
不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならない―国力増大を目的とした「百年法」が成立した日本に、最初の百年目が訪れようとしていた。処置を施され、外見は若いままの母親は「強制の死」の前夜、最愛の息子との別れを惜しみ、官僚は葛藤を胸に責務をこなし、政治家は思惑のため暗躍し、テロリストは力で理想の世界を目指す…。来るべき時代と翻弄される人間を描く、衝撃のエンターテインメント!
(KADOKAWAより)
第八位「世界から猫が消えたなら」川村元気
あらすじ
郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。二〇一三年本屋大賞ノミネートの感動作が、待望の文庫化!
(小学館より)
第七位「ソロモンの偽証」宮部みゆき
あらすじ
クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした―。新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。
(新潮社より)
第六位「晴天の迷いクジラ」窪美澄
あらすじ
デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた――。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。山田風太郎賞受賞作。
(新潮社より)
第五位「ふくわらい」西加奈子
あらすじ
暗闇での福笑いを唯一の趣味とする編集者の鳴木戸定。愛情も友情も知らず不器用に生きる彼女は、愛を語る盲目の男性や、必死に自分を表現するレスラーとの触れ合いの中で、自分を包み込む愛すべき世界に気づいていく。第1回河合隼雄物語賞受賞作。
(朝日新聞出版より)
第四位「きみはいい子」中脇初枝
あらすじ
17時まで帰ってくるなと言われ校庭で待つ児童と彼を見つめる新任教師の物語をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友など、同じ町、同じ雨の日の午後を描く五篇からなる連作短篇集。家族が抱える傷とそこに射すたしかな光を描き出す心を揺さぶる物語。
(ポプラ社より)
第三位「楽園のカンヴァス」原田マハ
あらすじ
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとは―。山本周五郎賞受賞作。
(新潮社より)
第二位「64」横山秀夫
あらすじ
警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。
(文藝春秋より)
感想・レビュー
大賞「海賊とよばれた男」百田尚樹
あらすじ
一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。
(講談社より)
まとめ
- 大賞「海賊とよばれた男」百田尚樹
- 第二位「64」横山秀夫
- 第三位「楽園のカンヴァス」原田マハ
- 第四位「きみはいい子」中脇初枝
- 第五位「ふくわらい」西加奈子
- 第六位「晴天の迷いクジラ」窪美澄
- 第七位「ソロモンの偽証」宮部みゆき
- 第八位「世界から猫が消えたなら」川村元気
- 第九位「百年法」山田宗樹
- 第十位「屍者の帝国」伊藤 計劃、円城 塔
- 第十一位「光圀伝」冲方丁
第十回本屋大賞ノミネートランキング
記念ずべき第十回本屋大賞。その受賞作品は百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」に決定しました。
百田尚樹さんは、過去に何度も本屋大賞ノミネートしていますが、今回初の大賞受賞となりました。おめでとうございます。
今回は西加奈子さん、窪美澄さん、冲方丁さんの常連ノミネートもありましたが、初ノミネートの方も多数見受けられる本屋大賞となりました。
個人的に横山秀夫さんの「64」は読みました。
他にも宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」、山田宗樹さんの「百年法」なんかが興味あるので是非とも読んでみたいと思います。
では次回の第十一回本屋大賞でお会いしましょう。