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第十七回本屋大賞【2020年】
第十位「むかしむかしあるところに、死体がありました。」青柳碧人
あらすじ
昔ばなし、な・の・に、新しい!
(双葉社より)
鬼退治。桃太郎って……え、そうなの<? br>大きくなあれ。一寸法師が……ヤバすぎる!
ここ掘れワンワン。埋まっているのは……ええ!?
「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの
《日本昔ばなし》を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといった
ミステリのテーマで読み解く全く新しいミステリ!
「一寸法師の不在証明」「花咲か死者伝言」
「つるの倒叙がえし」「密室龍宮城」「絶海の鬼ヶ島」の全5編収録。
第九位「店長がバカすぎて」早見和真
あらすじ
谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。
(角川春樹事務所より)
店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる!
毎日「マジで辞めてやる! 」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は──。
第八位「ムゲンのi」知念実希人
あらすじ
展開も結末も予測不可能な超大作ミステリー!!
若き女医は不思議な出会いに導かれ、人智を超える奇病と事件に挑む。
眠りから醒めない四人の患者、猟奇的連続殺人、少年Xの正体――
すべては繋がり、世界は一変する。眠りから醒めない謎の病気〈特発性嗜眠症候群〉通称イレスという難病の患者を3人も同時に抱え、識名愛衣は戸惑っていた。
(双葉社より)
霊能力者である祖母の助言により、患者を目醒めさせるには、魂の救済〈マブイグミ〉をするしか方法はないと知る。
愛衣は祖母から受け継いだ力を使って患者の夢の世界に飛び込み、魂の分身〈うさぎ猫のククル〉と一緒にマブイグミに挑む――。
第七位「夏物語」川上未映子
あらすじ
大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。
(文藝春秋より)
第六位「medium 霊媒探偵城塚翡翠」相沢沙呼
あらすじ
推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた―。
(講談社より)
第五位「熱源」川越宗一
あらすじ
故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。
(文藝春秋より)
第四位「ノースライト」横山秀夫
あらすじ
北からの光線が射しこむ信濃追分のY邸。建築士・青瀬稔の最高傑作である。通じぬ電話に不審を抱き、この邸宅を訪れた青瀬は衝撃を受けた。引き渡し以降、ただの一度も住まれた形跡がないのだ。消息を絶った施主吉野の痕跡を追ううちに、日本を愛したドイツ人建築家ブルーノ・タウトの存在が浮かび上がってくる。ぶつかりあう魂。ふたつの悲劇。過去からの呼び声。横山秀夫作品史上、最も美しい謎。
(新潮社より)
第三位「線は、僕を描く」砥上裕將
あらすじ
両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負すると宣言する。
(講談社より)
水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。
描くのは「命」。
はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで次第に恢復していく。
第二位「ライオンのおやつ」小川糸
あらすじ
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
(ポプラ社より)
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
大賞「流浪の月」凪良ゆう
あらすじ
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい―。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
(東京創元社より)
第十七回本屋大賞ノミネートランキング
- 大賞「流浪の月」凪良ゆう
- 第二位「ライオンのおやつ」小川糸
- 第三位「線は、僕を描く」砥上裕將
- 第四位「ノースライト」横山秀夫
- 第五位「熱源」川越宗一
- 第六位「medium 霊媒探偵城塚翡翠」相沢沙呼
- 第七位「夏物語」川上未映子
- 第八位「ムゲンのi」知念実希人
- 第九位「店長がバカすぎて」早見和真
- 第十位「むかしむかしあるところに、死体がありました。」青柳碧人
まとめ
第十七回本屋大賞は、凪良ゆうさんの「流浪の月」です。初ノミネートにして大賞受賞になります。おめでとうございます。かなり力強い力作だったと思います。
横山秀夫さんは久しぶりのノミネート、小川糸さん知念実希人さんは三度目のノミネートです。今回は初ノミネート組も多く選出されましたね。
あとは砥上裕將さんの「線は、僕を描く」、川越宗一さんの「熱源」、相沢沙呼さんの「medium霊媒探偵城塚翡翠」なども読みましたが、お世辞抜きに三作ともかなりの名作でした。
感想を書くのがとても楽しかったです。
これほど粒ぞろいの作品がノミネートされる2020年本屋大賞は、かなりハイレベルなのかもしれません。
それではまた次回の第十八回本屋大賞でお会いしましょう。また。