二銭銅貨【感想】（青空文庫・江戸川 乱歩）

感想・レビュー

江戸川乱歩のデビュー作。ずっと気になっていてようやく読めました。

この頃から乱歩の文体だなぁと思える文章や、会話劇は読み易く面白いです。

それが南無阿弥陀仏のトリックと相まってキャラを魅力的に見せる。

あと二銭銅貨の実物をみたことがなかったので調べてみたりもしました。

デビュー作のせいか、当たり前ですが語彙というか、表現力が少し甘い気もしましたね。

他にも展開を無理に押しきろうとするところもありましたが、乱歩は自評価が厳しい作家なので自分が一番わかっていたかと思われます。

その辺りも含めて、後に名を残す小説家のデビュー作なんだと思ってより楽しめました。

あとは印象的な書き出しの文章だったので一部引用させていただき今日はおわろうと思います。

短編なのでサクッと隙間時間に読んでみるのもオススメですね。

「あの泥棒が羨ましい」二人の間にこんな言葉が交わされる程、其頃は窮迫していた。

（二銭銅貨より一部抜粋）