共喰い【あらすじネタバレ感想】山口の川辺が舞台。146回芥川賞受賞作!

あらすじ

話題の芥川賞受賞作、文庫化!
セックスのときに女を殴る父と右手が義手の母。自分は父とは違うと思えば思うほど、遠馬は血のしがらみに翻弄されて──。映画化が決定した、第146回芥川賞受賞作。瀬戸内寂聴氏との対談を新たに収録。

(集英社より)

感想・レビュー

第146回芥川賞受賞作

表題作「共喰い」他短編一つと対談が収録されている。田中慎弥さんは初読みです。

146回は円城塔さんの「道化師の蝶」が同時に受賞している。

父親とその愛人と三人で暮らす17歳の少年。少年は父がセックスの時に暴力を振るうことを知っていた。さて、自分はどうであろう。

舞台となっている山口県の川辺。田舎の風景や方言の会話は、読んでいて心地よい。結果的に悲劇なのであるが、殺した母親にはどこか救いと諦念を感じる。

川、性器、鰻、下水、義手、アパートの女、どれも印象に残る素材でかつ文学が強く好きな人の物語にも感じた。

「第三紀層の魚」これも魅力的。小説としてはこっちの方が面白い。著者もどこか自由で、楽しそうでした。

田中慎弥さんという者の文章は簡潔、かつ幻想的な詩的な感性も時々見せてくれる。

他の作品も気になってしまう作家さんですね。

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