和解・小僧の神様 ほか十三編【あらすじネタバレ感想】(講談社文庫・志賀 直哉)

あらすじ

透徹した人間観察の眼で、生命観にあふれた独自の世界を築き、格調高い近代日本文学の典型を創造した志賀直哉の初期中短編集。表題作のほか「網走まで」「城の崎にて」など13編を収録。という原本に、志賀直哉を正しく理解するための数編の短篇と自筆の絵などを加えた完全版。

(講談社BOOK倶楽部より)

感想・レビュー

「網走まで」「荒絹」「剃刀」「イヅク川」「濁った頭」「クローディアスの日記」「正義派」「清兵衛と瓢箪」「范の犯罪」「児を盗む話」「城の崎にて」「赤西蠣太」「和解」「小僧の神様」「焚火」の13編と

「菜の花と小娘」「佐々木の場合」「矢島柳堂」「リズム」「衣食住」「白い線」「私の空想美術館」「ナイルの水の一滴」の8編追加収録。

素晴らしい作品集でした。

志賀直哉は初めてだったので、唯一の長編「暗夜行路」とどっちに先を読もうか迷っていましたが、やはり短編の名手と呼ばれる方なので短編集から手を出してみました。

気楽な気持ちで読み始めたら気付けば23作品くらい収録されていて、志賀の絵画や肖像写真などもあり、大変満足な一冊でありました。

シェイクスピアのハムレットが好きなので「クローディアスの日記」や「網走」まで「清兵衛と瓢箪」「濁った頭」などとても気に入りました。

あとはやはり「和解」でしょうか。今までの作品とは違う重みがあって、志賀直哉の半生が、目に見えない何かがそこにあったと思います。

他の作品も読んでいきたい、そんな作品集でした。

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