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あらすじ
「下手に口外しない人物だとおまえくらいしか浮かばなかった」
体育祭が終わり、高度育成高校初の文化祭が迫っていた。クラスに壁を作る長谷部や三宅、そして高円寺のような非協力的な生徒がいつつも、メイド喫茶の準備を秘密裏ながらも着々と進める綾小路たち。だが龍園はその動きを見逃さず堀北クラスとの協力契約を突如破棄。龍園クラスもまたコンセプトカフェの開催を宣言、さらに売上での一騎打ちを要求する。
(MF文庫Jより)
一方、Aクラスへの可能性を失った自クラスに失望した神崎、そして綾小路に対決を反故にされ様子の変わった南雲生徒会長。2人に綾小路が自ら働きかけを始め――!? 「南雲生徒会長に提案があります。今度はオレから生徒会長へ勝負の提案をさせてもらえないでしょうか」
感想・レビュー
さぁやって参りました。今日はよう実の最新刊ですね。
二年生編も第7巻となり、前回は体育祭で色々とありましたが、今回は高度育成高校としては初の文化祭。
いやぁ、痺れた。相変わらずの痺れる面白さでしたね。
二年生編はもう綾小路が止まりませんね。笑
物語も前巻辺りで折返し地点は越えているのか、綾小路清隆の実力が出るわ出るわで、今回も天沢一夏が櫛田を人質にとったシーンは、震えましたねぇ。笑
流石に綾小路かっこよぎるわ、ってな話で、今回もさっそく振り返っていきたいと思います。
- 長谷部波瑠加の独白、その後
- 初の文化祭が開幕、Aクラス目前
- 絶望的な一ノ瀬クラスの神崎
- 一枚のラブレター、南雲生徒会長への交渉
- 軽井沢、大人の階段登る!? 綾小路サイコパス発言
- 佐倉愛里その後、5000プライベートポイントの行方
- ホワイトルームからの刺客(八神&天沢)
- 裏で暗躍する者たち
ざっくりと今巻のポイントを纏めるとこんな感じでしょうか。
ではネタバレ全開で書いていきますので、ご注意下さい!
長谷部波瑠加の独白、その後
満場一致試験以降から、長谷部と三宅は単独行動を続けており、前巻のラストでも不穏な終わりをみせました。
そして今回の独白で、おそらく文化祭でアクションを起こすのだろうという感じ。
それも当然で、この文化祭は、退学した佐倉愛里が前々からこの文化祭を起点に頑張っていたから。
初の文化祭が開幕、Aクラス目前
前回の体育祭で堀北クラスは、またもや高いクラスポイントを獲得し、Bクラスをキープ。その中で次に行われる特別試験は、文化祭。
高度育成高校としては、来賓を呼んでの文化祭は今回が初?(過去に行われていたのかは不明)なのか、少なくとも去年は、行われませんでした。
基本的に高度育成高校は、閉鎖的な環境ですから、前回の体育祭で政治家などの来賓を呼んだのも確か一年時にはなかったことだったかと。
文化祭の話は、体育祭と同様に説明が行われていましたが、今回はしっかりとポイント制度などを説明。
相変わらずのよう実制度で、よくもまぁこんな細かいことまで考えられるなぁ、と感心しつつワクワク感も高ぶってきます。
堀北クラスは、前々巻で、メイド喫茶をすることが内々で決まっていましたが、それに加え、屋外で屋台などもやることに。
ここで体育祭で手を組んだ龍園クラスが乗り込んできて、裏切る展開に。
この乗り込みは、過去に何度か見たことがあるようなシーンで、またか、と思いつつも、実はこれ最後の最後でわかるのですが、龍園と堀北が仕掛けた他学年、他クラスを騙す為の仕掛けだったんですよね。
あとちなみに、高円寺、長谷部、三宅は不参加で、櫛田はメイド喫茶に参加はしますが、練習まで一切参加しないという感じで、クラスはまだひび割れの状態が続いていました。
絶望的な一ノ瀬クラスの神崎
ここで神崎と綾小路が久しぶりにちゃんと絡むシーンがありました。
神崎といえば、一ノ瀬の右腕です。
現状の一ノ瀬クラスは、かなりの大ピンチです。一年時には考えられない安定感を見せていた仲良しクラスだったのですが、学年が進むにつれて、特別試験の内容は非情になっており、徐々に脆さが目立ってきて、ついにCクラスに転落してしまいました。
満場一致試験でも一ノ瀬クラスは描かれていましたが、神崎だけは「このクラスの脆さ」を理解し、説得に励みましたが、一ノ瀬を筆頭にクラスの甘えを崩せず、終わってしまいました。
そんな神崎は、一ノ瀬クラスに絶望し「もうこのクラスのAクラス入りは不可能だ」と思い、日々を過ごしており、自分がAクラスに行くには体育祭の時に初めて報酬として出た【クラス移動チケット】しかないと感じはじめていました。
ここで最後の希望として、助言を貰おうと思った相手が綾小路。
綾小路は話を聞き、ある考えを巡らせ、再度機会を設け、神崎を呼び出します。そこに現れたのは、一ノ瀬クラスの姫野ユキ。
姫野はサバイバル試験後の帰りの船で、一度だけ綾小路と接触があります。
接触内容は、二年生編4.5巻で描かれているので、ここでは省きますが、この姫野ユキという生徒は、一ノ瀬クラスらしくない希少な生徒で、クラスでも一歩引いた立ち位置にいました。
そんな姫野と神崎を綾小路は、上手く結びつけ「今の一ノ瀬クラスは間違っている」という野望の火を点しました。
結果だけを先に書きますが、今回の文化祭で龍園クラスがCクラスになり、ついに一ノ瀬クラスはDクラスに転落してしまいます。
ですが、この二人が出会ったことは、今後の一ノ瀬クラスを変えて上昇する最後の手段なので、何かしらの展開で持ち直してくる可能性が高いかもしれません。
まだ二年生ですから、可能性は十分にあると思います。
ただ、どうして綾小路がここまで一ノ瀬クラスにも手を貸すのか、それは彼の思い描く最後のシナリオに関係していることは間違いないでしょう。
一枚のラブレター、南雲生徒会長への交渉
文化祭準備期間、堀北にクラス女子?だったか忘れましたが、一通の手紙(ラブレター)を南雲生徒会長に渡して欲しいと言い伝えられます。
堀北は迷いの末、満場一致試験の信用回復の為にそれを受け入れますが、気が乗らず、同じ生徒会の一年八神拓也に依頼します。
八神は過去にホワイトルーム生だということが判明しておりますが、派手な動きはまだない生徒。なので表向きは、生真面目な生徒で、堀北の依頼を引き受けます。
しかし、ここがもう全ての罠の始まりだった、というのが最後で全て明かされます。
詳細は「ホワイトルームの刺客たち」で書きますが、まさかここからあらゆるシーンが最後に繋がっているとは、恐れ入りましたね。
少し話が変わりますが、この辺りで、綾小路は南雲生徒会長ともコンタクトを取ります。この二人の関係性は、サバイバル試験の因縁からで、体育祭で戦う約束でしたが、綾小路がそれを反故。
失望した南雲は、文化祭に関しては、完全に手を引いており、抜け殻のような状態。それを敗北を知らない状態、だが同時に今の3年に南雲に勝てる者もいなかったと綾小路は分析しました。
そして詳細は語られませんでしたが、綾小路は再戦を誓い、ある依頼を南雲に交渉します。
これも最後に【監視情報を提供】とわかるのですが、八神に関することでした。
南雲生徒会長に関しては、3学期辺りに最後に綾小路と何かしらがあるでしょう。
サバイバル試験の時も相当痺れる展開でしたが、ついに南雲の完全敗北が見れるかもしれませんね。
軽井沢、大人の階段登る!? 綾小路サイコパス発言
ここは、皆さんもあまりにも突然の会話に「え、、えっ!?」となった方も多いかと思いますが、直接的な書き方はしていなかったので、綾小路と軽井沢の会話から察するにどうやら二人の関係は、一線を越えたのかもしれません。笑)
我々読者的には、もう綾小路のサイコパス内面を見ているので、何とも微妙なところなのですが、ここでも綾小路は、ようやく恵は、リハビリを得て、独り立ち出来るようになってきた、との内面描写がありました。
(いや、どんなリハビリやねん、と思いましたけど。それよりも山田アルベルトよりやばいイチモツの綾小路だけど大丈夫なんかとか、まぁもういいです。笑)
ちょっと話を南雲生徒会長の時に戻しますが、綾小路はまたもや激ヤバ発言をしてますので、一部引用させて頂きます。地の文を省いております。
南雲「それは答えになってねえな。今の解答はクラスの人間が欠けることに対するものだ。俺が言っているのはおまえにとって特別な存在である軽井沢が消えることへの不安が全く感じられなかったことだ」
綾小路「消えたら消えたでそれまでの存在。それ以上でもそれ以下でもありません。むしろ後始末が楽になって助かりますよ」
南雲「……頭のネジが吹っ飛んでやがるな」
(ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻より)
これは綾小路キタァァって感じなんですけど、もちろん綾小路には綾小路らしい持論があるし、それも全くわからない訳ではなく、これぞ綾小路清隆を表している内面描写もありましたので一部引用させて頂きます。
南雲はオレのことを頭のネジが吹っ飛んでいると表現したがそれは違う。こちらに言わせれば、一時の感情に流されて判断を誤る方がネジの締め方を間違えるんだ。
相手が他人であれ恋人であれ、家族であれ同じこと。失敗し脱落する時が来たらそれで終わりだ。
最優先すべきは自分を守ること。
それが揺るぎなき『解』なのだ。
(ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編7巻より)
実に綾小路らしく、これが多くのファンがつく要因ともいっても過言ではありません。
みんなこんなライトノベルの主人公を読んだこと無いんですよ。笑
設定も内政問題も喧嘩も勉強も全部面白いんですけどね。
佐倉愛里その後、5000プライベートポイントの行方
だいぶ長くなっているので、サクッといきます。
前回の佐倉愛里の謎のポイント消費の正体が今回わかりました。
それは「メイド服」。長谷部と綾小路が最終的にぶつかることを見越してのプレゼントだったみたいで、ここは是非とも読んで下さい。(唐突w)
まぁこの結果、長谷部と三宅は、クラスに戻ることにより、ひとまずめでたしめでたし、という感じです。
佐倉愛里に関しては、新しい一歩を踏み出していて、アイドル(グラビアアイドル?)として事務所にも合格していました。
やっぱよう実面白いなぁと思ったのが、長谷部波瑠加の愛里に対する一方的な押しつけ的感情の扱い方や、退学者側の方も退学になったからって人生が終わるわけではなく、むしろ新たな世界の幕開けなんだと、描いていたこと。
確かになぁ、と思いましたし、これだけ閉鎖環境で物語が進むと一見退学は絶望的にも思えますが、現実的になって冷静に考えると、別にそうでもないですよね。
まぁ確かにAクラス卒業報酬は、破格ですが。その後もそのレベル、それ以上が求められ続ける世界というのは、簡単ではありませんからね。
あと、前回のもう一つの謎だった、不登校だったみーちゃんの食料提供者の正体は、未だにわからずでした。
ホワイトルームからの刺客(八神&天沢)
さぁトリですね。まず時系列的に、天沢一夏の件から。
ついに綾小路と天沢一夏との一戦がありました。
天沢一夏は、無人島サバイバルの時もそうでしたけど、堀北や伊吹を相手にも子供扱いですし、綾小路曰く、龍園であっても天沢が上だとのこと。
やはりホワイトルーム生に勝てるのは、ホワイトルーム生以外にいないのかもしれませんね。
櫛田を人質にとった天沢を、綾小路が救い出すシーンは、わかっていてもカッコ良すぎましたし、私的には今巻一のシーンとなりました。
綾小路、強すぎるって…笑)とニヤニヤが止まりません。
やっぱり衣笠先生は、喧嘩シーンでここぞでの見せ方がウマすぎます。
ここで天沢は、敗北を知り、いつもの陽気さを失い、最後に午後3時になったら生徒会室に来いとのこと。
で次に生徒会室にいくんですが、大まかな詳細は入り組んでいるので省かせてもらいます。
ここに集まったのは、堀北、伊吹、そして八神。更に南雲生徒会長、龍園とクラス二人と坂柳クラス担任の真嶋先生と龍園クラス担任の坂上先生まで登場。
これが全て綾小路が緻密に仕組んだ文化祭のシナリオ。八神拓也を退学にさせる包囲網だったんですよね。
内容も面白いんですが、わりかしあっさりと八神と天沢は、ホワイトルームへ帰還になりました。
天沢はわりと二年生編でも出てきましたが、八神はこれで良かったのか、と思いましたが、今後、退学しちゃったらもう出てきようがありません。
八神の噛ませ犬感がすごかったですけど、一つ言えることは、綾小路にとってホワイトルームからの刺客たちは、敵ですらなかった、ということでしょうか。
恐るべし、って感じですね。
裏で暗躍する者たち
最後ですね。
文化祭を終えた堀北クラスは、またもや一位を取りました。まさに大躍進ですね。
龍園クラスも引き続き二位に。
もう堀北クラスと坂柳クラスの差は、そこまで来ました。今後どうなっていくのか、楽しみに待ちましょう。
そしてここで綾小路にコンタクトをとってきた人物がいます。
それが椿と宇都宮。この二人に関しては、今まで特に深い関係性はありませんが、ちょくちょく出てくるシーンも過去にありました。
新一年生にしては、一番、地味なコンビでしたよね。椿に関しては、少し司令塔的な怪しさもありましたが、まさかの第三者がその裏で暗躍していたことが判明。
その者の正体は不明ですが、綾小路に何度か間接的にコンタクトをとってきたもので、今回は宇都宮の電話からのコンタクトでしたが、会話内容的にも一年生であることは間違いないようです。
ですが新一年生に関しては、もう全員顔を出していますし、大方の裏の顔も出したはず。
七瀬翼、天沢一夏、椿桜子、宝泉和臣、八神拓也、宇都宮陸
しいて一番怪しくなるはずだった椿と宇都宮に関しては、まだ謎が多いですが少なくとも電話の相手ではない。
今回の八神退学に関しては、この謎の第三者も多少関与していたらしく、更に【綾小路先生】との発言していることからホワイトルーム生であることも間違いないかと。
新キャラクターとして出てくるのか、それとももう出て来ているのか?わかりませんが、楽しみに待ちましょう。
まとめ
調子に乗ってつい6000文字以上も書いていたらしく、すいません。
これでも省きに省いたつもりだったのですが、今回は内容も暗躍面が少し複雑だっただけに、長くなってしまいました。(いつも通りな気もしますが、笑)
あとがきで、前回アニメ二期発表ありましたが、なんと三期も決定らしいです。
すごいですね。おめでとうございます。
一年生編まで全部やるらしいんですけど、アニメ一期はあまり覚えていないんですけど、確か原作と少し違いませんでしたっけ?
まぁそれは置いときまして、きぬぴーさんのプライベートマイブームは生姜らしいです。笑
それと次巻について、先生の方から何も触れられていませんでしたが、よう実シリーズとしては、順当にいけば短編集で2年生編7.5巻になるのでしょうか。
わかりませんが、続報を待ちたいと思います。
あと、書き忘れましたが、茶柱先生のメイド姿を筆頭に、今回もトモセ氏のイラストが最高でした。毎度そうですけどクオリティが高い。
朝比奈なずな、ひより、波瑠加、櫛田、伊吹、みんな最高でした。
伊吹の作中の扱いが、なんかたまらなくいいんだよなあ。笑
あと最後の最後で、堀北鈴音の寝顔イラストで終わるのは、破壊力がエグすぎました。笑
私も鈴音さんといい夢が見れそうです。
「んん……ダメ……」w
おやすみなさい。
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