
あらすじ
どんな攻めをも、はね返す石垣。
どんな守りをも、打ち破る鉄砲。
「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!越前・一乗谷城は織田信長に落とされた。
幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。
匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次(きょうごくたかつぐ)より琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。
一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、国友衆(くにともしゅう)に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋を叩き潰す」と宣言する。大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開ける――。
(集英社より)
感想レビュー
第166回(2021年・下半期)直木賞受賞作品
久しぶりの直木賞受賞作品を読むような気がします。
ここ最近、歴史・時代小説を読む頻度が少しだけ高くなってきましたが、特に意図はありません。まだそこまでハマっているわけではないのですが、興味は昔より湧いてきたのかもしれません。
さて、まず読了後の所感としては、まず素直に面白かったです。
私が歴史小説をあまり読まないので、専門用語の辺りは多少調べながらにもなりましたが、喪失からはじまり、師弟関係、友情、淡い恋、戦、そして結末とお話の筋は王道的なものでしたので、分厚い小説でしたが、最後まで楽しみながら読めました。
あと歴史小説ではあるのですが、どこか現代的な表現もあり、賛否はあるかもしれませんが、私は読みやすいような工夫がされているなと思えました。
ただ読めない漢字が幾つかあって、個人的に勉強不足を感じましたね。笑
続いて物語の舞台は、戦国時代末期辺りから江戸時代へ。そんな世を、石垣作りの職人を主人公におき、最後の戦いとなる前哨戦が描かれていきました。
穴太衆たちの楯を作る人達の思い、矛となる銃を作る国友衆たちの思い、戦国の世を生きた大名や武将たちの思いが、重なっていくさまはとても読み応えがありました。
特に穴太衆と国友衆は、互いに泰平という世の中を目指す同士であり、敵となる構図も上手くいっていたかなと思います。
残念ながらその後の世界は、泰平とは程遠い、簡単に多くの人が死ぬ世界となってしまいましたが、そういった人々が生きて、今の私たちがいるということを改めて感じました。
本作を読んで、荷方、山方、積方たち石垣職人という存在を知り、次にお城を見る時が少し楽しみになりました。
今村翔吾さんの作品は、今回が初めて読みましたが、またいつか何かの作品で読めたらなと思います。
それでは今日はここまで。最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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