日本近代文学館に行ってきた時の記憶【レポート】

あれは確か、昭和42年(1967年)に開館された日本近代文学館が開館55周年を迎えるのと同時に、オールナイトニッポンも55周年を迎えた2022年の頃だったと思う……笑

どうも、管理人の彗星です。

読書好きの皆様、いかがお過ごしでしょうか。

昨今の新型コロナ流行も鳴りを潜めはじめ、世界がようやく落ち着きを見せたかと思えばロシアとウクライナの戦争やその他諸々、とても悲しいニュースが轟いています。

かつての文豪たちが眠り、そしてその作品を愛する人々や彼らの背中を追いかける人々がいる場所で、そのようなことが一日でも早く終わることを願うばかりです。

さて、普段は飽きもせずに本の感想レビューばかり書いていますが、今日は久しぶりに日記ブログのような感じで【文学館に行ってきた】の第二弾を書いていこうかと思います。

第一弾で書いた「鎌倉文学館に行ってきた時のとある話【レポート】」の方も、有り難いことに、ちらほらと読んでくださってる方がいるみたいで、嬉しい限りです。

そして今回は、東京の目黒区にある、日本近代文学館の方に行って参りました。

閑静な住宅街の中にあるので、少しだけ迷ってしまい、先に裏門の方に行ってしまいましたが、入場は正門からとのことらしく、さらに文学館は駒場公園の中にあるみたいでした。

ちゃんと調べてから行くべきでしたが、お陰で知らない場所を歩けたので散歩が好きな身としてはそれはそれで良かったと思います。

そんなこんなで、さっそく駒場公園入口へ。

思い返せばこの日は、9月末頃でしたが気温30℃を超えるような猛暑日だったかと思います。

この記事を書く現在はもう冬になろうとしていてますが…

それにしても「暑いなぁ」と思いつつも、公園内で遊んでいた幼稚園児たちがキャッキャと走り回り、私を気にもせず追い抜いていきました。

その中でも一人、じっと私を見つめる少年がいました。

私はたまにこういう時、目があった子供たちについ変顔をしてみたくなるのですが、この日は暑さで既にもう変顔をしていたかもしれません。

少年は真顔のままみんなの元へ走り出して行きました…そうこうするうちに文学館前に到着。

日本近代文学館前

やたらと文学館前スペースが広いな…と思いつつ、青い空は綺麗。

画像では分かりにくいのですが、階段を登ってすぐ右隣にテラス席のような場所があり、そこで何組かの人たちが談笑していたました。

なお文学館近くには綺麗でデザインチックなトイレもありました。

さっそく一階へ。

一階は写真を撮っていないので申し訳ないのですが、主に閲覧室や喫茶店がありました。

雰囲気のある喫茶室

(日本近代文学館HPより)

店の中に本が見えて、雰囲気あって入りたかったのですが、ついいつもの情けない癖で、ビビってしまいました。笑

(あぁ、家帰ってからコーヒー飲んで、本読もうっと)

店前の看板に確か記憶している限り『芥川、敦』と書かれていて、いまブログを書きながらホームページを調べていたのですが、喫茶室【BUNDAN】というお店らしいです。

そして先程の『芥川、敦』は、コーヒーの商品名らしいです。面白い、行けば良かった…笑

調べてみたら、コーヒーだけではなく軽食やお酒、ジュースなど結構色々あります。

さらに商品名はただ適当に命名している訳ではなく、作中から引用していたりするらしく、一例だけ、引用させて頂きます。

芥川 AKUTAGAWA  ( Brazil ) ¥800

芥川龍之介をはじめ、高村光太郎、菊池寛、与謝野晶子から宮沢賢治に至るまで多くの文士が通い、日本におけるコーヒー文化発祥の地とされる「カフェーパウリスタ」。1913年(大正2年)、銀座にオープンした同店が提供していたのは、ブラジルコーヒーであり、「銀座にブラジルコーヒーを飲みに行こう」というのが「銀ブラ」の語源だとも言われています。BUNDANでは、当時提供されていたであろうものを再現。ピールのような酸味とナッツのような甘さが特徴のこのコーヒーを「AKUTAGAWA」と名付けました。

僕等は金の工面をしてはカッフェやお茶屋へ出入した。
彼は僕よりも三割がた雄の特性を具えていた。
ある粉雪の烈しい夜、僕等はカッフェ・パウリスタの隅のテエブルに坐っていた。
—- 芥川龍之介『彼 第二』

(喫茶室【BUNDAN】より)

他にも太宰治、中島敦、森鴎外、梶井基次郎、宮沢賢治、谷崎潤一郎、夏目漱石などのような日本人作家から、シェイクスピアやシャーロック・ホームズというキャラクターまで幅広く商品名になっていて面白い。

気になった方は一度、喫茶室【BUNDAN】さんのホームページを見てみてください。

話が少し逸れましたが、さっそくフロントの方に入場金300円を渡します。

入場券代わりになるらしい【封筒】が手渡されました。

嬉しい入場券

私が頂きました封筒の中身には、武者小路実篤の『友情』のハガキが入っていました。なんだかこういうのは地味に嬉しいですね。

あとハガキの中身はランダムなんですかね? 皆さんも是非行って見る機会があれば確認してみてください。

さてさて、お次は目的の展示室がある二階へ。

展示室へ

二階は講演会などが出来るホールのような場所もありました。

鎌倉文学館の時もそうでしたが、基本的に展示室内は撮影禁止です。

ですが展示室前の撮影は大丈夫ですと、受付の方に許可を頂きましたので、撮影させて頂きました。

主に設立に大きく関わった人物の一人であり、川端康成などの展示があり、テンションがあがりパシャパシャ。

展示室の内容について

展示室の内容は『川端康成と日本近代文学館』『生誕120年 住井すゑ、95年の軌跡―金輪際いつぽんきりの曼珠沙華―』の2展示がありました。

川端康成の方に関しては館内設立時の直筆原稿やノーベル文学賞受賞時の原稿などがありました。

あとは彼と深く関わりがあった高見順や伊藤整などの展示が数点ありました。

直筆原稿って文体の癖や修正痕がリアルに残っていて、何度見ても絵の中の文豪たちが改めて生きていたんだなぁ、と嬉しい気持ちになりますね。

住井すゑの方は、私は勉強不足で存じ上げていない方だったのですが、歴史を振り返る流れの展示になっており、この機会に知れることが出来ました。

何点か原稿内容を読ませて頂きましたが、自作の主人公である女が不貞を犯すことについて語っており、その面白かったです。

橋のない川』などの代表作があるらしく、また機会があれば読んでみたいですね。

終わりに

鎌倉文学館よりも展示点数などは劣りますが、この日本近代文学館という建物がどうして設立されたのか、その経緯や歴史的背景を知る良い体験になりました。

欲を言えばもう少し志賀直哉や他作家の資料や展示があれば嬉しかったのですが、もしかして一階にある資料室とかで見られたんですかね。

まぁそれでも雰囲気は堪能出来たので、良しとしておきます。

ついでに駒場公園内の旧前川邸など散歩して楽しみました。(写真下手ですいません)

新婚さんたちがいたり、スケッチなどをされている方も何人かいて、とても情緒を感じる場所でした。

是非皆さまも機会があれば足を運んでみてはいかがでしょうか。

日本近代文学館公式サイト

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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