あらすじ
聖なる夜。届かぬ想い、かなわぬ祈り
もうすぐクリスマスがやってくる。
(ガガガ文庫より)
小さい頃はプレゼントがもらえる日だったが、いまはもうそんなことはない。
何より、願うことも、欲しいものもなくなってしまった――。
生徒会長選挙の日以来、何かが決定的に終わってしまった関係を引きずりながら、逃げ出さないため、ただそれだけのために部室に集まる八幡たち。
そんな折、新たな依頼を持ち込んだのは、先の選挙で生徒会長となった一色いろはだった。
他校との合同のクリスマスイベントを手伝って欲しいという依頼に対し一人で行動しようとする八幡。
しかし、一筋縄ではいかない依頼に、事態は次第に悪化していく……。
気付かれず、心の奥にしまわれる想い。叶わぬと諦めてしまった祈り。聖なる夜に、もし、願うことがあるならば――。
感想・レビュー
「本物が欲しい」と八幡は言った。
初巻の時は、タイトル含めて誰も想像しなかった展開になったことは間違いない。
季節はクリスマス。合同イベントありつつ、すごい9巻だったと思います。
ただ八幡の気持ちっておそらく男とか女だけとかじゃなくて、もっと人類が求める普遍的なものなんでしょうね。
如何にも文学的な内容に近いんでしょうけど、それを出しても違和感がないのがこのライトノベルのすごいところですね。
俺ガイルが人気になったのも、未だラノベでは開いていなかった扉を開いたからじゃないでしょうか。
そこからくる共感性とか、ラノベらしさも含めて。
この作品で描かれている感情は、普段人が表に出しにくい気持ちだったりを一人称でユーモアを混じえながら描いている。
まぁ八幡みたいな人は少ないだろうけど、笑)まさに渡先生の技量ですよね。
これはラブコメ史上一番深い感情を捉えているかもしれない、もう文学でもありますね。笑
次巻はどうなるのやら。