一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【感想レビュー】人類の歩みを知る

あらすじ

【画期的な歴史入門書と話題沸騰! 37万部突破!】 
youtubeで話題! 現役教師の新感覚の世界史 
今、一番売れている世界史本! 


推理小説を読むように一気に読める! 
“新感覚”の教科書にあなたも必ずハマる! 

現役公立高校教師としては初めて、Youtubeに世界史の授業動画を公開し、 
たちまち、大学受験生や社会人、教育関係者から「神授業! 」として話題沸騰の 
現役・公立高校教師が書いた“新感覚”の世界史の教科書! 
大学受験、学び直しにも。高校生から、主婦、社会人まで必読の1冊! 

(SBクリエイティブより)

感想・レビュー

大人になった今、もう一度「世界の歴史」を「人類の歩み」を知りたいと思い、本書を読んでみました。

まずはじめに、これだけは伝えておきたいのですが、タイトルにある「一度読んだら絶対に忘れない」ということはあり得ません。笑

これはあくまでも商売利益を目論んだものなのでとやかくは言いません。

ただ勘違いしないで欲しいのですが、この本は「限りなく忘れにくい優秀な本です。

著者さんがYouTubeで活躍しているのを本書きっかけに知ったのですが、まず所感としては、驚くほどに面白かったです。

元々、世界史に苦手意識はありませんでしたが、こんなにも世界史の全体像を「ストーリー」のように読ませる本があるなんて…ととても驚きました。

歴史で起きる全ての出来事には、ONE PIECEのような「伏線」がしっかりとあり、突然何もなしに戦争が起こったり、革命が起きるということではないと。

まぁ当たり前ではあるんですけど、学校で習うとその所謂「伏線」の伝え方がそれぞれの教師の特徴や癖に影響されるので、分かりやすかったり、そうでなかったりと難しい所ですよね。

だからこそ本書の出番なのですけど、本書にはまず3つの大きな特徴がありました。

①一般的な教科書とは違い、すべてを数珠つなぎにして「1つのストーリー」にしている

②「主語」が変わるのを最小限におさえている

③年号を使わない

(一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書より)

これら③つの工夫要素を入れると、世界史全体に「ストーリー性」が格段に増し、面白くなる。

とても画期的で感心しました。

どうしても教科書や学校で学ぶと、歴史の流れというより、年号の順番、つまり数字で覚えてしまうんですよね。

これが日本史や世界史がつまらないと思われる一つの要因だと思うのですが、よくよく考えると数字に物語性を感じるのは数学オタクだけなので当然。笑

これに関しては試験側に合わせていった結果でもあると思うので、これからの改善に期待です。

面白くないと一時的な短期記憶で止まってしまうので、数年、数十年後には思い出せくなる。

皆さんも好きな映画とか漫画、小説、ゲーム、エンタメや文学、何でも良いんですけど、何年経ってもずっと覚えている作品って、ぞれぞれ各々あると思うんですけど、その時の「脳」の使い方を本書はさせるてくれるんですよね。

世界史全体像の把握

上記が全体像のイメージ。

大雑把に纏めると、


『人類の出現・文明の誕生』

『4つの場所【ヨーロッパ、中東、インド、中国】の歴史』

まだこの頃の世界はバラバラ

『その4つの場所が大陸を越え、一体化しようとする』

大航海時代開幕・ヨーロッパ諸国が各大陸へ進出

『一体化、その結果』

革命、植民地支配、戦争

『2023年現在』

(ロシアとウクライナ戦争)


自分で書きながら随分と雑な説明になりましたが、大きく要約するとこんな感じです。

内容に関しては、序盤から1章ごとに楽しみ、のめり込みました。

年号がない物語のように歴史を読むと、あの人物がここで出てくるか、と一部鳥肌が立つような部分もありました。

まさにそれは歴史を「記憶させる」のではなく「考えさせる」やり方で、これがとても大事、重要だなと思いました。

私も途中で何度も読むのを止め、面白すぎる小説や映画の時に使う「考察脳」を使っていたと思います。笑

ただ年号がないので、やはりどうしても「これ何年くらいの事なんだんろう?」とはなるんですよ。

でも安心して下さい。そういう方の為に、本書巻末付録でしっかりと分かりやすい「年号一覧」があり、流れがさらえます。

更にその時代に流行った「哲学、芸術」なども教えてくれるミニコーナーもあり、フォローも完璧に近かったです。

もっと詳細が知りたい出来事があった時は、私は一旦考察脳で予測して、笑)すぐにスマホで検索して一人で納得したら、また次の「歴史=物語」へ…というやり方で読んでいきました。

全体像を把握させる為の本なので、出来事の詳細はあくまでも簡易的です。

でもそれがかえって知りたい欲を沸かせ、自分で調べる、学ぶというアクションを起こさせ、結果的に記憶にも良いのかなと感じました。

何より調べていくうちに「なるほど、そういう事だったのか」と撒かれた伏線がミステリのように回収されていくのが気持ちよくて、楽しかった

まさにそれこそが序盤にも書きました、ただ一方的に与える「記憶させる」ではなく「考えさせる」に繋がってくるのかな、と。

まとめ

本書は一応大学生に向けても書かれていますが、基本的に社会人向けかな、とも感じました。

本当は「考える」やり方で歴史を覚える方が、歴史の全体像を掴むので、長期的にみても良いのですが、やはり歴史をある程度数字で覚えなくてはいけない日本の試験では、年号ナシっていうのはちょっと厳しいのかな、とも感じます。

改めて「何の為の、誰の為の歴史なのか」を考えさせられる、個人的にはとてもいいきっかけにもなりましたね。

でも学生時代にこの「考える力」で世界史を覚えた人って多くはないと思いますが、羨ましいなと思います。

私が学生の頃は間違いなく、世界史あくまでも「歴史」ではなく「授業」の一つでしかなかったからです。

ちょっと大げさかもしれませんが、世界史って今、というよりずっと昔から人類にとって一番重要な科目なんじゃないか、と26歳になって今頃気づきはじめました(遅い、笑)。

読了後、少し経ってから改めて考えているのですが、歴史って「人類の悪の記録」なんですよね。

その歴史ですら勝者の良いように書かれ、伝えられている可能性もある。

良いこと「」の行い、それを為した人物なども書かれてはいるのですが、元を辿れば、全部「」が先にあるんですよ。

だからそれら悪行を繰り返している人間にも腹が立ちますし、今の世界の縮図にも疑問が出てきます。

「暴力、兵器」これらは教育的、常識的にはNOと言われています。

ですが現状、というより今までの人類は「暴力、兵器」で勝利した国が支配し、覇権(経済、政治)を握ります。

悲しいですがそれが真実です。

そして現在(2023年)も戦禍中です。

よく「過去から、歴史から何も学ばない」という言葉なんかを物語とかでもよく聞きますが、実はその逆で「過去を、歴史を学ぶから戦争って起きるのかな、とも今回感じました。

昔、お前の国あんなことやってたよな」とか「あれはかつてウチの領土だった」とか、揚げ足取りというか、まさに憎しみの連鎖ですよね。

知ってしまうから駄目なんですかね、知らないままの方がいいこともあるかもしれない。

平和とは何なのか?というのを考えると、もうそれは最終的にユートピアようなものしか出てこなくなりますが、本書はまさに、そういったことを考えるまで成長させてくれたとても良い一冊でした。

まだ読んでおらず気になっている方は、ぜひ読んでみて下さい。

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