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あらすじ
司馬遼太郎による国民的ベストセラー、映像化に合わせて待望の新装版刊行。
俺は今日から武士になる――。
佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。
武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、
幕府徴募の浪士組にまじって、京へ向かう。
京都守護職御預の名のもと、「新選組」を結成。
副長・土方は厳しい局中法度を定め、類のない苛烈な軍事集団を創り上げ、
池田屋事件などで、世にその名を轟かせていく――。
しかし、薩長同盟成立で、時流は一気に倒幕へ。
土方は最後まで激しく抵抗、夢と信念を貫き、江戸、会津、箱館へ向かう。稀代の男の生涯を巧みな物語展開で描いた、傑作長編。
〈名著が一冊で読める、大変お得な決定版!〉
司馬さんによる「あとがき」、原田眞人監督による特別寄稿「そびえ立つ歴史的遺産『燃えよ剣』を映画化して」を収録。
感想・レビュー
歴史小説で有名作の「新装版」ということで読んでみました。
司馬遼太郎さんは初めてですね。いつか読んでみたい作家さんの一人でした。
さて二段組で六百六十頁超えという、かなり分厚い一冊の本。
その重み、厚みがこの幕末の激動を生きた歴史小説の主役である土方歳三の一生のように感じて、読み終えたあとに涙が溢れる作品でした。
新選組、名だたるメンバーが集まり、有名な池田屋事件から様々な京での獅子奮迅の様子が伺える。
百姓の子がここまで登りつめる過程は、やはり男だ。
個人的には新選組は解散して欲しくなかったが、それほどに色濃い組織にも思える。
好きなシーンがあって、袂別の少し前に近藤と土方が最後に幼子のように満点の夜道を歩くところなんかは、流石にうるっとくるものがありましたね。泣けた。
土方歳三がお雪に見せる一面もまさに男であり、最後の末文でやはり泣かされる。
あとは沖田総司、この男も今もなお人気のメンバーの一人であるが、人間として好きになるタイプです。
若くして惜しくも死んでしまうが、この男が生きていればまだ新選組は少し違った道を歩んでいたのかもしれない。
芹沢鴨、山南、斎藤一、永倉新八、井上源三郎、松本良順、、名だたるメンバーが出てくるこの物語を読んでいてとても楽しかったです。
あとこの新装版の表紙がめっちゃかっこいい。