高野聖【感想】(青空文庫・泉 鏡花)

感想・レビュー

泉鏡花初読みになります。

主人公の私が汽車で一人旅中に心細くなって、たまたま乗り合わせた高野山の和尚にどうか共に宿に泊まってくれと頼み、その寝床で和尚が体験した不可思議な幻想体験を語っていく。

前半、和尚の語りは現実的で、中盤から美しい女と白痴の少年が出てきて、その辺りから不気味さが見えてきて、最後は幻想的?な終わりとなる。

結果、美しい女が男を魅了し動物に変えるというのが、後半にら明かされて、なるほど、あれは伏線かとなった。

この物語は和尚と親父という二重の語りを入れるというミステリチックなテクニックが使われている。

鏡花は初めて読んだが、なるほどこういうタイプなのか、自分の中でそこまでハマった部分はなかったけれど、あともう一つ作品くらい読んでみてもいいかなとは思えたか。