芥川賞と直木賞との違いとは?かんたんに解説します

皆さんこんにちは。こんばんは。

今日は芥川賞と直木賞の違いなど説明できればと思います。

といいますと私自身、芥川と直木の作品は時々読むけど何となく知っいる程度でした。

年二回ある。芥川賞は純文学の新人。直木は大衆文学の中堅?の賞だとかぼんやりとは知っているけど、色々有名な話を耳に挟んだりしているが結局の所ちゃんとは知らない。

自分の性格上気になりだすと調べてみないと気がすまない質なので、色々と調べてみました。

せっかくなので皆さんの参考程度になればと思います。

では基本的なところから簡単にご説明していきたいと思います。

芥川賞と直木賞の概要

まず芥川賞と直木賞は、あの有名な文豪である芥川龍之介氏と直木三十五氏の業績を記念して、友人であった菊池寛氏が創設したと言われています。

芥川龍之介賞(通称:芥川賞)

直木三十五賞(通称:直木賞)

受賞作は上半期(12月〜5月)・下半期(6月〜11月)に発表された作品を対象となり、年二回に渡って選出されます。

毎年、芥川賞受賞作品は「文藝春秋」に全文が掲載され、直木賞受賞作品は「オール読物」に一部が掲載されます。

芥川賞と直木賞の違いってなに?

さて本題です。芥川と直木の違いとは。

さっそくですが日本文学振興会では、違いについてこのように書かれていましたので一部引用させて頂きます。

芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。

直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテイメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)が対象です。

(日本文学振興会より)

ふむふむ。なるほど。大方知ってはいたのですが、直木賞の候補に「新進作家」も含まれているのは以外でした。

なんか昔、直木もはじめは芥川賞と同じく新人作家が選ばれて、いつからか主に中堅たちが選ばれるようになったみたいなことをどこかで聞いたことがあったような。

調べたら1970年代頃から、中堅作家たまにベテランが受賞する傾向が増えていったそうです。

簡単にまとめると。

「芥川賞=純文学+雑誌から+新人」

「直木賞=エンターテイメント+単行本から+中堅〜ベテラン」

個人的には直木賞に関しては、エンタメと多少の文学性も含まれるのではないかと思っています。

芥川賞や直木賞に選ばれるのは大変?

芥川賞と直木賞の中でも皆さんが特に勘違いしやすいのは芥川賞かと。

直木賞は中堅作家なので多少世に名が浸透しているイメージもあります。

ですが芥川賞は新進作家から選ばれるので「よっしゃ、アマチュアの俺が、私が書いて獲ったろか」となっても実は候補にも選ばれません。

その絡繰りが新進作家とは「作家」なのです。つまりまず「作家」=「小説家」にならなくてはいけません。

じゃあ「小説家」になるにはどうしたら良いのか。昔は持ち込みやツテという道もあったらしいのですが、現代では基本的に「新人賞」の公募が王道になります。

簡単にまとめると。

まず新人賞を受賞する→雑誌に掲載される→芥川賞の候補資格を獲得→多くの作品の中から何とか候補に選ばれる→受賞?落選?

となります。

こういったプロセスを経て、ようやく受賞するかしないかが決まるので、やはり大変なことなだとわかりますね。

直木賞に至っては、プロになってかつ単行本かしなければいけないというハードルがあるので更に大変です。

一作品で芥川賞と直木賞のW受賞はあり得るのか!?

漫画「響~小説家になる方法~」では、主人公の響が15歳という若さで、史上初の芥川賞と直木賞のWノミネートしますが、現実ではあり得るのでしょうか。(漫画はめっちゃ面白いのですおすすめ)

基本的に「まずあり得ない」と言われています。その理由が色々とあるので解説していきます。

例えばW受賞しようとするには、絶対的な条件があって自分が「新進作家」であることです。

まず中堅作家だと芥川賞の候補条件からはじき出されてしまいます。

他にも芥川は「雑誌掲載」が候補条件なのですが、直木は「単行本」が候補条件になります。

ただ過去の直木賞では雑誌掲載であっても受賞されていたので、あり得た可能性があります。

そこで調べてみたのですが、W受賞はいませんでしたが、なんとあと一歩で両方受賞できるWノミネートに選ばれた作家が四人もいたそうです。

第21回(1949年・上半期) 中村八郎「桑門の街」受賞せず。
第25回(1951年・上半期) 柴田錬三郎「デスマスク」受賞せず。
第28回(1952年・下半期) 松本清張「或る「小倉日記」伝」芥川賞受賞。
第39回(1958年・上半期) 北川荘平「水の壁」受賞せず。

Wノミネートはとても名誉なことではありますが、受賞したのは松本清張さんだけでした。

芥川賞に権威はなく無名だった!?

これは有名な話ですが、第31回受賞者の吉行淳之介さんは「社会的話題にはならず、受賞者がにわかに忙しくなることはなかった」。

第33回受賞者の遠藤周作さんも「ショウではなくてほんとに賞だった」など、

今では日本の文学賞の中でも芥川賞は最も権威のある賞ですが、当時は話題性や注目度も然程なかったと言われています。

ですが第34回の石原慎太郎さんの「太陽の季節」が23歳という若さで受賞し、作品内容や学生作家であったことなどから大きな話題を呼び、「太陽族」と呼ばれる言葉が生まれるなど社会現象にも発展し受賞作がベストセラーとなりました。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

最後におさらいしておきます。

「芥川賞=純文学+雑誌から+新人」

「直木賞=エンターテイメント+単行本から中堅〜ベテラン

という感じです。

これを理解し、意識した上で読んでみるのもまた違った趣があるのかもしれません。

では今日はこの辺で失礼します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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