あらすじ
“おれはシーザーを愛さぬのではく、ローマを愛したのだ”
高潔な勇将ブルータスは、自らの政治の理想に忠実であろうとして、ローマの専制君主シーザーを元老院大広間で刺殺する。
民衆はブルータスに拍手を送ったが、アントニーの民衆を巧みに誘導するブルータス大弾劾演説により形勢は逆転し、ブルータスはローマを追放される……。
脈々と現代に生きる政治劇。
(新潮社より)
感想・レビュー
シェイクスピアもよく読む作家の一人になりつつあります。
解説によるとこの作品は、悲劇的な格調の高い傑作である。
文体は一貫して、簡潔、率直、如何にも政治劇らしく生真面目で、、省略。
だが中村氏はこうも書いている。
道化役の登場する喜劇的な場面が一つもなく、シェイクスピアお得意の卑猥な冗談や駄洒落が一切の影を潜めており、全てが政治悲劇に捧げられるいると。
個人的にはやはりユーモアや道化あってのシェイクスピア作品が好きなので、この教科書的な作品にあまり入りこめなかったです。
ただ、面白くない訳ではなく、魅力的な部分は多くありました。