あらすじ
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。
(文藝春秋より)
感想・レビュー
第134回直木三十五賞受賞作、第6回本格ミステリ大賞、第3回本屋大賞4位ノミネート作品、このミステリーがすごい!《2006》第一位
東野圭吾さんは初読みになります。
探偵ガリレオシリーズ。ドラマは昔見ていたのですが映画は見ていなかったので今更ですが新鮮に読めた。そして直木を獲った実力は伊達じゃない。
終盤で明かされる偽装トリックも衝撃ですがそこに物理の天才湯川、その友人である天才数学者石神と刑事の草薙、そして靖子、美里という人物達の友情と純愛を挟む物語がトリックの真意を強くさせる。この仕組みが巧みです。
これが東野圭吾の人情トリックか。確かに直木賞を獲りそうな作品でもある。
誰が悪いのか、勿論人殺しは罪だ。ではとうするれば最善だったのか。
だが読者は序盤の殺人過程を見せられている。それがこの作品の肝に感じました。
そして石神の最後の絶叫は胸が痛い。
ミステリの名作だと思います。もう一度記憶を消して読んでみたい。
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