戦争は女の顔をしていない【感想レビュー】戦後、姿を消した従軍女性兵たち、500人以上のインタビュー本

あらすじ

ソ連では第二次世界大戦で百万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった―。

五百人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞受賞作家のデビュー作で主著!

(岩波書店より)

感想・レビュー

こんにちは。こんばんは。

当方しばらく旅行に行っており、ブログの更新が出来ずでしたが、ようやくブログの更新が再開できそうです。

しばらくは溜まった記事を上げていきますのでまた宜しくお願い致します。

あとこの旅行中にAmazonオーディブルに入ったので、色々と聴いてみました。

さてここから本題。

ノーベル文学賞作家:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

著者のノーベル文学賞を受賞に大きく貢献したのが本作だそうです。

そんな本作は『戦後、迫害や差別を受けた女性兵のインタビュー』を纏めたものでした。

その数はなんと500人以上。

第二次世界大戦頃のスターリン時代のソヴィエトとドイツ戦の辺りですかね。

やはりこの頃は、ナチス・ドイツのヒトラー時代でもありますから、両方側の視点から描かれている物語や映画も多い印象です。

そしてインタビュー内容は、耳を塞ぎたくなる様な現実がありました。

怒り、痛み、悲しみ、憐れみ、恋、そして絶望」と色々と考えさせられるものであった事は間違いないです。

主にロシアの女性兵士のインタビューが多いのですが、現在まさにそのロシアとウクライナの戦争が起きています。

何とかならないのかと思う反面、歴史という観点からみると、人類は必ず戦争や革命を繰り返すという側面があります。必ずです。

そして戦争を引き起こすのは駆り出されて戦地で死んでいく庶民ではなく、国の権力者たちだということ。

おそらく今もっとも再読されている本なだけに、何とも言えない気持ちになります。

それでも当時、女性が戦争を語ることは許されなかった時代背景を鑑みても、著者が本書を書く決意をした事には、大きな意味があると私は思います。

訳者あとがきによると、完成してから数年間は出版することは出来なかったとか。

あとは過去の辛い体験に答えてくれた元女性兵、それらを根気強く編纂した著者、翻訳者たちには敬意の念でいっぱいです。

翻訳者は三浦みどりさんです。

ここからは余談ですが、私は旅行中にたまたま90歳のお爺さんと二人きりで温泉に入る機会がありました。笑

最初は「どこからですか?」「あ、東京からです、へへ…」みたいな日常的な会話だったのですか、

いつの間にか第二次世界大戦のフィリピン行軍の話になり「あの時はカツオを片手に舐めながら生き延びた…」など、貴重な話を聞かせてもらいました。

そしてお爺さんはぽつりとこう言いました。

「戦争なんて、もう二度と嫌ですよ……」

それは昨今のロシアとウクライナの戦争を指して言っているのか、当時に戻るのが嫌なのか、私としては何と答えていいかわからず、肩までお湯に浸かることしか出来ませんでした。

のちに色々と楽しい会話もしたのですが、裸のまま出会い、お互い裸のまま別れました…笑

なのでお爺さんさんが普段どんな格好をして、生きているのか知りません。

お爺さんどうかお元気で……

それでは今日はこの辺で終わりたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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