あらすじ
執筆活動の充実ぶりを示す、中期の佳作9篇
妹の婚礼を終えると、メロスはシラクスめざして走りに走った。
約束の日没までに暴虐の王の下に戻られねば、身代りの親友が殺される。メロスよ走れ! 命を賭けた友情の美を描く表題作など10篇を収録。
(KADOKAWAより)
感想・レビュー
「富嶽百景」「懶惰の歌留多」「八十八夜」「畜犬談」「おしゃれ童子」「俗天使」「駈込み訴え」「老ハイデルベル匕」「走れメロス」「東京八景」
上記10作が収録。
新潮版とどちらを読むか迷ったのですが、角川版の方が10作品収録と、個人的に「走れメロス」以外被りもなかったので、こちらを読みました。
序盤の数作品は、そこまで力強さみたいなのを感じなかったのですが、最後の「東京八景」は、太宰の良さが出でいて晩年を思い出しました。
これこれ、これが読みたかったんだという高揚があって、この作品だけはもう一度読んでみたい良作です。
ちなみに走れメロスは、教科書で読んだ以来だったのですが、懐かしくて、良かったです。
案外内容は覚えているもんだな、と少し驚きました。笑