
あらすじ
私立探偵フィリップ・マーロウは、ふとした友情から見も知らぬ酔漢テリーを二度も救ってやった。そして彼はテリーの殺害容疑を晴らす為に三たび立ち上るのだった! ハードボイルド派の王座を占めるチャンドラーが五年間の沈黙を破り発表した畢生の傑作、一九五四年アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞受賞作。
(早川書房より)
感想・レビュー
「ロング・グッドバイ」(原題:The Long Goodbye)
レイモンド・チャンドラーは初読みになります。
チャンドラーの中でも一番の長編であり、名作だと伺っていたので楽しみにしていました。
文体、会話、物語の運び方などが面白く、これがアメリカのハードボイルド派の推理小説か。
正直に言うと時代背景的なせいもあるか、推理要素というか、犯行要素に多少甘さを感じましたが、物語の重厚な深みが魅力的なので結果面白いです。
独身42歳の私立探偵マーロウの台詞回しや行動などがこれまた魅力的に描かれていて、他のキャラクターとの掛け合いも楽しく読めました。
あとウェイド夫人は世の多くの男性を魅了するおしとやかさみたいなものがあって、マーロウとの会話も読んでていて楽しかった。
読後感はかっこいい小説だったなぁという印象ですね。