あらすじ
“その戦場に死者はいない”――だが、彼らは確かにあそこで散った。
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。
(電撃文庫より)
そう――表向きは。
本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)”となった少女・レーナ。
二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!
第23回電撃小説大賞《大賞》受賞作、堂々発進!
感想・レビュー
第23回電撃小説大賞’大賞’受賞
内容は全体的に重く、所謂メカと絶望の戦争世界観。
作中に緊張感があって、人の命の重さを考えさせられるお話でもありました。
ただ序盤から造語や世界観を受け入れていかなくてはいけなかったので、読みにくい印象も同時にありましたね。
中盤以降から、尻上がりに設定と絶望が本格的に絡みあってきて、面白くなっていく。
そして最後は良い終わり方でとても感動しました。
まさにラストページ、なんですけど、このラストシーンがあるかないかで、この作品の評価が一気に変わる感じもありました。
この尻上がり感は、まさに電撃大賞らしい感じでもあります。
イラストレーターには、今乗りに乗っているしらび氏を起用したのも意外でしたが、このダークな世界感にちゃんとハマっていました。
知人にも続編も進められましたが、中々読めてません。
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