あらすじ
◎みなみ出版社長と元・竹書房社長が業界の裏事情まで大紹介した、初心者作家必見の出版ガイド。企画持込から制作、著作権、印税、書店営業まで全て解説。
CONTENT:プロの作家が知らない編集側の内情や、編集者もあまり知らない出版流通の仕組み、営業サイドの意見、出版社(経営者)と現場の意見の食い違いなどを理解することがよりよい作品作りにつながると思っています――著者
(みなみ出版より)
感想・レビュー
創作読本などや、小説家関連の本はちょこちょこ読むのですが、もっと業界のことが広く知りたいと思い、出版・編集関連などの本を探していたらこの本に辿り着きました。
著者の杉浦浩司さんは編集者歴30年と、生粋の編集者であるらしいので最後にプロフィールを掲載しておきます。
さて様々なジャンルの編集経歴を歩んできたその杉浦さんが、出版するにはどうしたらいいのか、これから本を出版しようとしている人、編集部の内情などをとてもわかり易く教えてくれます。
全8章ぶんとても興味深く読まさせていただきました。
私には本を出版する予定は微塵もありませんが、企画から自費出版や作家の暴露話からギャラ問題など面白かったですね。
本の流通から取次や書店と出版社の関係などは大方知っていましたが、細かい数字などは、なるほどなぁと興味深く読めました。
これは創作系などの本では誰でも言っていますが、現代の出版社は昔みたいに景気が素晴らしいとは言えません。
なのでどうしても面白さや才能よりも、まずその本が売れるかが第一優先になります。
つまりお金になるのですが、ここが読者と出版社で互いに求めるモノの形が大きく乖離しないということを願うばかりですね。
最後に全体的に読みやすく、スラスラ読めるのは良いのでがどうしてもこの本に言いたいことが一つあります。
誤字脱字というか変換ミスがあまりにも多すぎます。
本書は作家に対して文章指南があり、ちゃんと自分の書いた文章を読み直しましょうと書いてますが、流石にここまで自分の文章ミスが多いのでは説得力の欠片もないです。笑
これではちゃんと自分の文章を読み直しましょうは「いや誰が言ってんねん」となっても仕方ないレベルです。
本書にもある「信頼」出来るのかこの人は、という面で完全に怪しいですね。笑
まぁ内容は悪くないので私はギリギリ許容しますが。
【プロフィール】 杉浦 浩司 出版プロデューサー、編集者。
株式会社みなみ出版代表取締役。アイドル、ヌード写真から、絵本、マンガ、実用、小説まで。
編集者歴30年の経験を積んで出版社を設立。
1965年、滋賀県彦根市生まれ、趣味はアウトドア系の遊びと、本の編集。
あとはビールを少々
【編集経歴】
近代映画社「月刊近代映画」
辰巳出版「ライダーコミック」編集長、「オートワークス」
小学館「ビッグコミックスピリッツ」
つり人社「月刊つり人」
造形社「月刊ラ・モト」「月刊ダートスポーツ」
竹書房「月刊本当にあった愉快な話」編集長、写真グラビア誌、マンガ誌、ムック、文庫、書籍、電子書籍、他多数
(2018年10月30日初版より)