あらすじ
「鳥肌モノ」と麻枝准が賞賛した、青春小説
「他に好きな人ができたんだ」
「い、嫌だっ」
彼氏のアメくんにフラれて生きる希望を失った私は、衝動的に学校の屋上へと向かう。身を投げるために。
けれどそこで私は、「ライオン」「ブリキ」「カカシ」と『オズの魔法使い』になぞらえて呼び合う奇妙な3人と出会う。みんな私と同じように死にたいと思っていて、だけど3人は「復讐してから死ぬんだ、あなたもそうしませんか」なんてあっけらかんと言う。拍子抜けして、自殺する気がしぼむ私。そして、アメくんとの思い出に彩られていない唯一の場所である屋上へと、日々、私の足は向くことになる――。「独特の空気感を纏ったジュブナイル小説(あえてライトノベルとは呼びません)。オズの魔法使いに登場するキャラクター名で記号的に呼び合う仲間たちの物語なので、その空気が後半まで壊れない。そしてそれを壊す時=その隠されていた登場キャラクターの名前が一気に明かされるシーンは、鳥肌モノでした」と『CLANNAD』『AngelBeats!』の麻枝准氏が賞賛した、第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。誰もが経験する恋愛の痛みを、こぼれ落ちそうな思春期の内面を描き切った、青春小説。
(ガガガ文庫より)
感想・レビュー
第5回小学館ライトノベル大賞“ガガガ大賞”受賞作
旧題「こうして、彼は屋上を燃やすことにした」
カミツキさんのデビュー作です。ずっと気になって積読してしまってました。
まずタイトルがすごく独創的で良いですよね。
個人的には「かりゆしブルー・ブルー 空と神様の八月」の方を先に読んでいたので、空気感が全然違って驚きました。
『オズの魔法使い』をモチーフに、各キャラがその名を使って、各々の復讐に挑んでいきます。
後半手前で、一気に名前が明かされるシーンで、うわっ、叙述ってなりました。上手かったです。
女主人公なのにタイトルも中々、憎くくてセンスを感じました。
それよりソラってかりゆしブルーの白狼氏の空ちゃんから使ったのかとても気になました。