あらすじ
風変わりな少女、あみ子の目に映る世界を鮮やかに描き、小川洋子、三浦しをん、荒川洋治の絶賛を受けた第二十六回太宰治賞受賞作。書き下ろし作品「ピクニック」を収録。
(筑摩書房より)
感想・レビュー
第26回太宰治賞受賞作、第24回三島由紀夫賞受賞作
今村夏子さんデビュー作になります。
わたしは先に「あひる」の文庫版から入りましたが、本当に面白いですね。
太宰治賞受賞作「こちらあみ子」と「ピクニック」が収録されています。
まずデビュー作の「こちらあみ子」から才能が迸っている。
詳細に語られてはいませんが、発達障害?らしきあみ子の小学生から家族が解散してしまう15歳までのお話。
何を感想に書けばいいか分からないくらい濃いかった作品。
おーとせよ。こちらあみ子、こちらあみ子。おーとーせよが最後、泣きそうになった。
あみ子はただ純粋で本当にいい子なんだと思わせられるくらい、あみ子視点からしか物事を書かない。
著者の作品はとにかく書かない。だから気持ち悪くもなるし、面白くもなる。
「ピクニック」も微妙に歪んでいく気持ち悪さは同様。素晴らしい作家さんですね。