あらすじ
二人の白人女性を眺めながら受ける日本の妻からの長い国際電話…。卓抜な状況設定と斬新な感覚で描く、衝撃の愛と性の作品集。〈解説〉勝見洋一
(中央公論社より)
感想・レビュー
第77回芥川賞受賞作
著者さん初読みになります。芸術家の方には疎いのですが、有名な芸術家の小説らしい。調べたらすごい有名な方でした。
表題作「エーゲ海に捧ぐ」と「ミルク色のオレンジ」と「テーブルの下の婚礼」の二編が収録。
それぞれ三作に共通するのは女の性器を必要以上に描写し続けるということ。
このうんざりするほど出てくる性器たちが著者の持つ画家的な視点で、独自の文学に落とし込んでいったのが上手く評価されたのか。
だが問題は選評でも言われている「これは文学なのか?」という賛否両論。
謎の女たちと主人公の性的行動は文学なのか。
正直私には分からないが、確かにこういった切り口の小説は読んだことがないし、当時の新しい文学を切り拓くという意味では納得出来る気もしました。
私的にはエーゲ海に捧ぐの日本にいる妻の電話が面白く読めましたね。
まあ所々で意味不明な所も「?」ってなって笑ってしまえたので、多分受け入れられたのだと思います。
最後に収録されている三作品ともタイトルが全部卑猥比喩だと分かった時に、私は著者に負けたんだと思います。笑
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