あらすじ
世界は美しくなんかない。
「キノはどうして旅を続けているの?」 「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ……でもそんな時は必ず、それ以外のもの、例えば世界とか、他の人間の生き方とかが、全て美しく、素敵なものの様に感じるんだ。とても、愛しく思えるんだよ……。ボクは、それらをもっともっと知りたくて、そのために旅をしている様な気がする」 ―――短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。今までにない新感覚ノベルが登場!
(電撃文庫より)
感想・レビュー
第6回電撃ゲーム大賞最終選考予選落ち。
このライトノベルがすごい!ノミネート歴:《2006》第二位、《2007》第五位、《2008》第六位
時雨沢恵一さんのデビュー作ですね。
電撃小説大賞最終選考落選からの拾い上げからの作品化になります。
連作短編集の形をとっていて、どの作品も風刺的で、面白かったですね。
黒い童話というかまぁそれが本来の形なのかもしれませんけど。
主人公のキノとバイク?二輪のエルメスが喋るのもなんか中学生の夢というか、こういう愛車と会話するの憧れるよなぁという感じ。いつも心の中で喋りかけてる人もいるだろう。笑
王を選ぶ国みたいなのとか、キノの正体が分かるときとか色々楽しめた記憶が残っています。
この手の作風は、この手の人にしか書けないタイプの作品なので貴重な作品だと思います。
素晴らしい出来だったと思います。