あらすじ
銃を持つ男。怯える母子。突入する警察。読み手を魅了する伊坂マジックの最先端!
兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。
母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。
連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。
軽やかに、鮮やかに。
「白兎事件」は加速する。
誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!
(新潮社より)
感想・レビュー
このミステリーがすごい!《2018》第二位ノミネート
伊坂さんはそろそろ五冊目くらいになります。
さて物語は立てこもりユーモアミステリ、籠城ミステリという形をとっていった感じ。
相変わらず個性的なキャラクターを駆使し、何度も視点をずらして物語を何度も裏切っていく展開はお見事でした。
読みすすめながらロジックについて頭で整理しようとすると混乱しそうになりましたね。
よくもこんなこと考えるなぁと。
そして伊坂作品の特徴は、なんといっても悪いことをしている奴らが悪い奴に見えないようにさせる力量というか、世界観ごと塗り替えていくので読むたびに笑えてきます。
ユーモアチックに会話の応酬もふとした所で吹き出してしまう面白さが魅力的です。
他にも「レ・ミゼラブル」などの作品がよく出てきたりとここらも相変わらずでしたね。
本人もあとがきで書いていましたが、シリアスな感じにしようとしたらなんかこんな感じになったと。笑
物語の最後にはそれぞれのキャラクターが各々の道を進み変わっていく過程も流石一流エンタメ作家かと。
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