あらすじ
殺してでも、欲しいもの。それが王の座。「権力」という毒に溺れた男を描く、シェイクスピア4大悲劇の白眉!
かねてから、心の底では王位を望んでいたスコットランドの武将マクベスは、荒野で出会った三人の魔女の奇怪な予言と激しく意志的な夫人の教唆により野心を実行に移していく。王ダンカンを自分の城で暗殺し王位を奪ったマクベスは、その王位を失うことへの不安から次々と血に染まった手で罪を重ねていく……。シェイクスピア四大悲劇中でも最も密度の高い凝集力をもつ作品である。
(新潮社より)
感想・レビュー
シェイクスピア四大悲劇三つめ。
新潮文庫版なので翻訳の福田恆存さんも同じく。
今回は序盤から王を殺し悪役全開のマクベスが主人公。
本来の気弱な部分と妻に尻に敷かれている感じも、普遍的であります。
そして夫から妻へと発狂していく感じがまた何とも言えない。
マクダフ夫人とその息子の会話劇は、素晴らしい。
シェイクスピアにしか出来ない面白さを感じます。
「女から生まれたもの以外でなければ勝てるという」という数パターンのセリフの使い方もシェイクスピアの良さが際立ってついニヤニヤしていました。
最後はマクベスが殺されたことによって、悲劇だけどハッピーエンドみたいな感じになってました。それも悲劇的か。