あらすじ
戦後の青春はこの1冊から始まった。ドラマ化で話題の表題作のほか、伝説の名作「乾いた花」全面改稿決定版、あとがき「青春のピュリティ」、「処刑の部屋」、「完全な遊戯」、「ファンキー・ジャンプ」を収録。
(幻冬舎より)
感想・レビュー
第一回文學界新人賞受賞、第34回芥川賞受賞作
表題作「太陽の季節」ほか四編が収録。
石原慎太郎氏のデビュー作であり、初読みになります。
まさに芥川の王道新人コース。
当時はというか、未だに芥川賞で一番注目を集めたと言っても過言ではない「太陽の季節」。
とにかく全編通して、倫理観とか常識とかそういったものはない。だが世の中で似たような事が起きているのも事実かもしれず、それを読者の心へ強烈に踏み込んでくる。
だが太陽の季節はそこまでお気に召さなかった。
三島由紀夫は批評で父親との描写を、志賀直哉の「和解」に捉えていたが、確かにそういう良い部分も感じたけど、どこか稚拙な部分も目についた。
若き時の勢いは嫌いではない。「処刑の部屋」はまだ良かった。
「完全な遊戯」は胸糞悪くなるが、これを書ける作家はあまりいないのも事実。
タイトルが憎い。読ませる。でも好きにはなれない。でも実力は確かです。
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