あらすじ
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》受賞作
校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。
(MF文庫Jより)
「君、私の助手になってよ」
――始まりは四年前、地上一万メートルの空の上。
ハイジャックされた飛行機の中で、俺は天使のような探偵・シエスタの助手に選ばれた。
それから――
「いい? 助手が蜂の巣にされている間に、私が敵の首を取る」
「おい名探偵、俺の死が前提のプランを立てるな」
俺たちは三年にもわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げ――そして、死に別れた。
一人生き残った俺は、日常という名のぬるま湯に浸っている。
……それでいいのかって?
いいさ、誰に迷惑をかけるわけでもない。
だってそうだろ?
探偵はもう、死んでいる。
感想・レビュー
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞“最優秀賞”受賞作。
このライトノベルがすごい!ノミネート歴:《2021・文庫部門》第四位、《2022・文庫部門》第八位
タイトル的に面白そうだな、と思って読んでみましたが然程でもなかったです。
「探偵」という概念を無視してSF的にやるのはまだいいんですけど、かえって全部が半端な気もしました。
なんでしょう。良いように言うならばラノベが好きな人の文章でもあるし、悪い言い方になればラノベの悪い要素がとことん詰まっているとも言えます。
よくあるどうでもいい会話劇は描写して、確実に描写しなければいけない所は書いていなかったりする。
ただこの会話が面白ければ良いんですが、私は面白みをあまり感じれなかったです。
多分なんですけど、ブギーポップ的な路線でやりたいのと人間的ドラマに仕立てたいの狭間なのかと。
それに文章というか力量が素直に追いついていないというのが正直なところか。
なので、結局何をしたかったのか分からないという結果だけが残りました。
別に創作は著者の自由なので今後も好きにやって欲しいのですが、どちらかと言うとこの作品を最優秀賞として押してしまった編集部にも少し疑問が残る気がしますね。