あらすじ
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》受賞作
校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。
(MF文庫Jより)
「君、私の助手になってよ」
――始まりは四年前、地上一万メートルの空の上。
ハイジャックされた飛行機の中で、俺は天使のような探偵・シエスタの助手に選ばれた。
それから――
「いい? 助手が蜂の巣にされている間に、私が敵の首を取る」
「おい名探偵、俺の死が前提のプランを立てるな」
俺たちは三年にもわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げ――そして、死に別れた。
一人生き残った俺は、日常という名のぬるま湯に浸っている。
……それでいいのかって?
いいさ、誰に迷惑をかけるわけでもない。
だってそうだろ?
探偵はもう、死んでいる。
感想・レビュー
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞“最優秀賞”受賞作
タイトル的にも面白そうだなと思って読んでみました。
まず読後の所感としては、部分部分は良かったりもしたけど、全体通してみると、正直そこまでだったかな、という感じでしょうか。
タイトルにもある「探偵」という概念がSF的な感じになってしまっていて、かえって全部が半端になってしまっているような印象を受けてしまいました。
あともう一つ気になった点がありまして、道中わりと無くてもいい会話劇は描写して、確実に描写しなければいけない様な箇所は書いていなかったりとその辺はどうになかならなかったのかな、と思いました。
百歩譲ってこの会話がそれなりに面白ければ良いんですが、私には申し訳ないんですが面白さをあまり感じれなかったです。
おそらくなんですけど、ブギーポップ的な路線でやりつつも、人間ドラマも本格的に仕込みたい狭間なのかと。
失礼ですが、それらを同時に表現するのには、まだ少し力不足なのかもしれません。
なので、結局何を表現したかったのか分からないという結果だけが残ってしまいました。
少し残念ではありますが、これはあくまでも新人賞なので、伸び代を買われている面もありますから、仕方ありませんね。
またいつか、MF文庫Jから新たな作品に出会えることを楽しみに待ちたいと思います。