無理ゲー社会【感想レビュー】知能格差が広がった先にあるのは絶望か希望か

あらすじ

人生の攻略難易度はここまで上がった。

〈きらびやかな世界のなかで、「社会的・経済的に成功し、評判と性愛を獲得する」という困難なゲーム(無理ゲー)をたった一人で攻略しなければならない。これが「自分らしく生きる」リベラルな社会のルールだ〉(本書より)

才能ある者にとってはユートピア、それ以外にとってはディストピア。誰もが「知能と努力」によって成功できるメリトクラシー社会では、知能格差が経済格差に直結する。遺伝ガチャで人生は決まるのか? 絶望の先になにがあるのか? はたして「自由で公正なユートピア」は実現可能なのか──。

ベストセラー『上級国民/下級国民』で現代社会のリアルな分断を描いた著者が、知能格差のタブーに踏み込み、リベラルな社会の「残酷な構造」を解き明かす衝撃作。

(小学館より)

感想・レビュー

結構話題になっていて、タイトルは見かけていたので、あらすじを読んでみてから興味が湧いたので、とりあえず買って読んでみました。

内容は一つだけではないので、感想が難しいのですが、現代から未来予測まで様々な題目から著者の視点や思いが描かれていて、とても面白く読ませて頂きました。

まずはじめに「苦しまずに自殺する権利を求める若者たち」というショッキングとも思えるが、わからない訳ではなく、また他人事だとは思えないような内容からぶっこんできます。

その後にも大雑把に纏めると「自分らしく生きるという呪い」「知能格差社会」「新しい差別」「非モテが増加」「若者が結婚しない理由」「遺伝ガチャ」「頑張れない人たち」「資本主義」「少子高齢社会」「アメリカや海外はどうなのか」「ベーシックインカムなどのユートピア」などなど、細かい内容はまだまだあるのですが、

これらを纏めると人生は無理ゲーだと。

特に若者視点、これから若者たちになっていく視点から捉えるとそうなる、といった理由が色々と書かれていて、確かにと思えることもありましたけど、じゃあどうすればいいのか、といったことも書かれていてとても考えさせられました。

では昔の人たちの人生が果たして楽なゲームだったのかと言えばそうではないような気もしますけどね。

私は昭和に生きていた訳ではないので説得力はありませんが、今よりも確実に不便なことや理不尽なことが多くあったでしょうし、そのせいで大きな悲しみを受けた人も必ずいる。

確かに30年以上前と今(2022年)とでは、消費税も馬鹿にできないし、税金もすごく高くなった。では国民の給料が上がったか言われれば数字だけみれば下がっている。

でもその変わりに30年前にあった煩わしさが減り、利便性が明らかに向上している。

海外での現状なんかも、良いところもあればやはり厳しいものがあったりしますし、ないものねだりみたいだなとも思いました。

そして本書を読んで感じたのは、経済問題だったり、戦争と平和や平等と公正だったりと色々ありますが、まず世界の在り方の大前提として、誰かが上に行けば、誰かが下に行く。

何かが変われば、他の何かが変化する。

全てが同時に同じ方向を向くことは、物理的にも、論理的にも決してない、ということでしょうか。

悲しいですがこれが現実であり、人類が生きる限りこの法則は限りなく続いていく。

こんなこと耳にもせず考えもせずに笑って生きていく方が楽なのかもしれないし、それが出来るならもうしてるんでしょうけど、やはり人はどこかで壁にぶつかるから、考えるしかないのでしょうね。

それらを踏まえて、これからは多くの人が一人で生きていかなくてはいけない。

私は読書と散歩ができればそれでいい人間なので、今は何もやりたいことがない人は、小さな喜びが見つかるような趣味が一つでも見つかればいいな、と思います。

ま、本音を言えば、誰もが許しあい、助け合い、競い合い(経済的に)もなく、絶望死などない、誰もが豊かに過ごせる穏やかな世界(ユートピア)で生きてみたかったですね。笑

紹介した本