禁断の魔術 ガリレオ8【あらすじネタバレ感想】ガリレオの教え子が犯した悲しき事件とは?復活の短編集

あらすじ

『虚像の道化師 ガリレオ7』を書き終えた時点で、今後ガリレオの短編を書くことはもうない、ラストを飾るにふさわしい出来映えだ、と思っていた著者が、「小説の神様というやつは、私が想像していた以上に気まぐれのようです。そのことをたっぷりと思い知らされた結果が、『禁断の魔術』ということになります」と語る最新刊。
「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4編収録。ガリレオ短編の最高峰登場。

(文藝春秋より)

感想・レビュー

ガリレオシリーズも第8弾です。

あらすじにも書いているのですが、前回の「虚像の道化師 ガリレオ7」で東野さんはガリレオを今後書くつもりはなかった、というのを知って驚き。

私はこのシリーズに関しては信頼しているので、特にあらすじを読まずに読み始めてしまい読了後のいま知りました。笑

確かに、前巻の感想にも書きましたが、男女関係ばかりを扱った動機にも、そろそろシリーズとして引っ張るには限界があったように思えますし、ですが、今回はその動機にも少し変化がありました。

まだあらすじを読んでない時の私は、「お、今回の動機はいつもと少し違うぞ」と一人でわくわくしていたので、要するに今巻も面白かったということだけは、先に書いておきます。

さて今巻も通常通りの連作短編集。

「透視(みとお)す」「曲球(まが)る」「念波(おく)る」「猛射(う)つ」の4編が収録。

最後の「猛射つ」だけは、ほぼ中編ぐらいあり、その分ガリレオシリーズ長篇によくある、大事な回といいますか、湯川の人間味が色濃く出ていた作品でありました。

大体こういう回は、草薙との関係性にも注目で、内海薫の良さも笑ってしまうような、面白さでした。

ガリレオの弟子と師匠のような、関係性も読んでいて愉しかったなぁ。悲しくもあったし、その理由の引き金は、やはり男女関係だったが。笑

他3編も、過去に似たような題名であったような気がしますが、これまた違った不思議現象で、すらすらと捲る頁がとまらない。

「曲球る」に関しては、「魔球」とは違った野球を混じえたミステリで、これも良かったなぁ。短編3つに関しても、いつもと違った動機の切り口で、優しさといいますか、ガリレオシリーズに奥行きが出るような、何か良い物を読んだような気持ちにもなりました。

それにしても幾つかの短編で、殺された被害者があまりにも無差別すぎて大変気の毒でしたが、作中の草薙の言葉にもあるように、世の中にはそういうあり得ないことをする奴はいるんだ、と。

全体通して、相変わらずの科学トリックと、工場関連、スポーツ、恋愛など、他、東野圭吾らしいパーツがあちこちに広がっていて、それに気づきはじめるなんて、いつのまにか東野圭吾作品の沼にハマってしまっている。笑

相変わらずガリレオシリーズは、伏線の張り方や構成の絶妙な組み込み方など、技術的な完成度が非常に高いので、特に感想を必要以上に書くことがなく、純粋に読書を楽しませてもらっているので、この辺で終わりたいと思います。

とはいえ最後にガリレオは、アメリカに旅立ったが、今後どうなるのだろうか。

次回作も読む予定です。それでは、お疲れ様でした。

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