あらすじ
ガリレオが迎えた新たな敵、それは女
(文藝春秋より)
資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。
シリーズ累計1320万部突破。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。
感想・レビュー
※ネタバレありますのでご注意!
ガリレオシリーズ第5弾。
そして今回はシリーズ第3弾「容疑者Xの献身」以来の長編小説です。
「子供が産めない女に用事はない」という思想のエリート旦那が毒殺された、というところからこの物語は動き始めるのですが、まず前回の長編と同様に序盤で犯人が誰か教えてくれます。
ここからハウダニット(どうやったか)を探る話になっていくのですが、ここに来て刑事の草薙がまさかの犯人に恋するという。笑
シリーズとしてこの辺でこういう要素があってもいいんですけど「おい草薙、何浮かれてんねん」と思いつつ読んでましたね。まぁ面白かったですけど。
内海薫もシリーズにかなり馴染んできたようで、ガリレオ先生との関係性も読んでいて面白い。
あともうこの時期はドラマ化されていたのか、作中に初の芸能人の名前が出ました。
内海薫が移動中に「福山雅治さん」のアルバムを聞くというシーンがありまして笑ってしまいました。笑
トリックも中々に斬新なアイデアで、それを活かす動機や人間関係も相変わらず上手いなぁの一言。
まさか1年前から仕込んだとトリックというか救済というか、、
ちょっと凡人の私には想像できないですけど、確かに面白い発想です。
で肝心の物語は、このトリックのハウダニットが見えそうで見えない展開が続きます。
なので序盤に読んだ犯人はそもそも間違っていたのではないのか?
今わかっている犯人の明確な動機は何なんだ?と読み進めれば進むほど複雑化されてきてミステリを楽しめます。
そしてなるほど、それが「献身」に続いて「救済」か。良いですねぇ。やっぱりこのシリーズは面白い。
個人的にガリレオシリーズの良い所は短編集の時の読み心地の良さなんです。
けど長編は長編で本格としての面白さがしっかりと堪能できる良さを兼ね備えているのでシリーズとしての魅力がより一層高まる、そんな第5弾でしたね。
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