あらすじ
ピアスの拡張にハマっていたルイは、「スプリットタン」という二つに分かれた舌を持つ男アマとの出会いをきっかけとして、舌にピアスを入れる。暗い時代を生きる若者の受難と復活の物語。第130回芥川賞受賞作。
(集英社より)
感想・レビュー
第27回すばる文学賞受賞作、第130回芥川賞受賞作
著者である金原ひとみは初読みになります。
この年は候補だけで綿矢りささん、島本理生さん、そして金原ひとみさんという結構な130回。
そして本作は、綿矢りささんの「蹴りたい背中」と同時に受賞しています。
物語も二枚舌、舌ピ、サディストなど異質な道具と人間たちを使った作品。
だが文学的には普遍性、王道といった感じのストーリーラインで、この軸が異質と混ざり合ったところが評価されたのか。
終わり方も純文学っぽく捻れた感じで、答えがとても気になりましたが、本質的には若年層時代が持つ抗えない心の弱さを表現しているのか、とも感じました。
文体は軽いがちゃんと読ませる力もあります。
すばるから直行で芥川賞と王道コースを歩めるのは数少ない運も実力も勢いもある作品。
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