蜘蛛の糸・杜子春【あらすじネタバレ感想】芥川龍之介が辿り着いた〈救済〉とは?

あらすじ

〈救い〉とは何だろう? 文学が最後にたどりつく永遠のテーマ〈救済〉を静かな筆致でとらえた傑作。

地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちる「蜘蛛の糸」。大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福をみつけた「杜子春」。魔法使いが神の裁きを受ける神秘的な「アグニの神」。少年少女のために書かれた、健康で明るく、人間性豊かな作品集。

(新潮社より)

感想・レビュー

「蜘蛛の糸」「犬と笛」「蜜柑」「魔術」「杜子春」「アグニの神」「トロッコ」「仙人」「猿蟹合戦」「白」の10篇が収録。

基本的に芥川の初期時代の作品らしい。文章は全盛期ほどとは言えないが、全然読ませてくれる技量があります。

「犬」と「笛」や「魔術」「仙人」なども面白かった。「猿蟹合戦」に至っては後の芥川作品のような雰囲気もあって笑えました。トロッコは懐かしかった。

久しぶりに芥川を読んで思うのは、やはり芥川龍之介という小説家ほど読んでも読んでも見えてこない書き手も早々いないなという印象。

余裕があれば晩年作品も漁ってみる予定。

この本を読んだときはちょうど江ノ島海岸に出向いていた。

確か秋の朝で、曇りがちだったが、気候が程よく、読者に集中できた思い出がありますね。

紹介した本

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