あらすじ
平成最後の夏、最後の幻想がはじまる
一つの時代が終わろうとしている。
(ガガガ文庫より)
高度に発達した文明社会は路地裏の暗闇さえも駆逐し、この世界に幻想の居場所はなくなった。かつて人々が怖れた怪異は、誰しもがネットで正体不明を暴けるものとなった。
そんな幻想の余地がなくなった現代社会で、十代の少年少女を中心に不可思議な現象が起きる。
――乖異。
己が妄執こそが真の現実だと主張する、突如顕れた新たな病魔。現実から乖離し、現実とは異なる理で世界をねじ曲げる現象。乖異によって引き起こされるは、「死者のいない」猟奇事件。導かれるように集ったのは、過去に囚われた三人。
絶えた怪異を殺す少女・神座椿姫。
空想を終わらせる男・左右流。
そして、世界に残された最後の幻想である少年・夏野幽。
一連の事件に「真祖の吸血鬼」の存在を見いだした彼らは、それぞれの理由を胸に乖異とかかわっていくことになる……。
終わる平成。最後の夏。最後の幻想。
旧時代と新時代の狭間に問う、新感覚伝奇小説 がここに。
感想・レビュー
個人的に結構好きな作品でしたね。いやかなり好き。
「空の境界」とかが好きな人は、多分ハマると思います。
あと化物語とかも似てますかね、まぁ題材というか方向性が全然違うので、扱ってるものは似てるけど、やっぱり空の境界方向だと思います。
新感覚と謳われていますが、ゼロ年代の伝奇小説の雰囲気を纏った感じで、平成の終わりを描くという。
イラストもかなり雰囲気とマッチしており、いいスッよって感じです。
最後の終わりとかもかっこいいんですよ。
文体も鋭い感じで、スタイリッシュなタイトルも含めて全部好み。
著者を陰ながら応援したくなりました。
やっぱりやってくれるなぁガガガ文庫。
ヒロイン的?な刀の女の子もベタだけど、作品にすごいマッチしてて良い。
続刊出たら買うのに。出ないんだろうなあ。