あらすじ
高校に入ったばかりの“にな川”と“ハツ”はクラスの余り者同士。臆病ゆえに孤独な2人の関係のゆくえは……。世代を超えて多くの読者の共感をよんだ第130回芥川賞受賞作。
(河出書房新社より)
感想・レビュー
第130回芥川賞受賞作
130回は金原ひとみさんの「蛇にピアス」と同時に受賞している。
綿矢さんは初読みになります。
五感の捉え方が凄く特徴的な作品でした。
読み終えて、今まで読んできた純文の中でも、伝えたい感情がかなり捉えにくかったのですが、他の方の感想を読んで、なるほど。
そういうことか。 意識と無意識か。全然気づかなかった。凄くスッキリした。
これに気付いてからは、確かに当時、著者が10代でこの作品を書ききったのは、立派な才だ。私としては少し恐ろしいくらいだが。
そして何よりも書き出しの良さだと思う。あの書き出しの文を書ける小説家は世界で5人いるかいないか。
ただ単に若いとか、そういう次元の話ではない感性だと思いました。
自分の感性の貧弱さを教えられた一作でした。もう一度読んでみたらまだまだ拾える部分がありそうです。
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